ラーメン会議トップへ戻る

« 第10回 日本全県ラーメン巡り その4 | メイン | 第12回 日本全県ラーメン巡り その6 »

第11回 日本全県ラーメン巡り その5

北三陸の階上から青森県を横断してやってきたのは、日本海側の鯵ヶ沢。弘前から岩木山を左手に眺め4、50分行くと、りんご畑のはずれにいのししラーメの店「竹浪食堂」の看板が出ていた。津軽の地で、なぜ「いのししラーメン」なのか、小哲と斎藤講師は期待に胸と胃袋をふくらませ車を降りた。いつもの様に、この基調トークを踏まえ、塾生諸君の意見や感想を、ブログで大いに発言してほしい。

第11回 発言テーマ
1.キミがいちばん美味しいと思う、だしの種類。
2.キミの知っている、珍しいだしを使ったラーメン
3.地の素材を使ったラーメン

※ 発言テーマは上記に限らず広く考えて結構です。
   今回の基調トークとの関連で自由に発言して下さい。

●店データ
「竹浪食堂」 
住所 青森県西津軽郡鯵ヶ沢町立石字大平199-300
電話 0173−72−1526

07011001.jpg

小哲〜斎藤さん、ここへ来る前に鯵ヶ沢の海のほうへ行ったでしょ。あの時つくつぐ思ったんだけど、青森の人は確かにラーメンが好きですね。だって、なんにもない道路沿いに、他に食堂はないのにラーメン屋だけはある。車で走りながらあんまり頻繁に目につくので数えてみたら、10軒ちかくあったんで、びっくりしました。

斎藤〜そうですね、ほんとうにラーメンをよく食べます。青森では神社の縁日で屋台のラーメンが出るくらいですから、やっぱり好きなんですよ。

小哲〜縁日にラーメンってのは、珍しいなあ。関東だってみんなラーメンが好きだけど、縁日にラーメンが出るってのは見たことないですよ。麺類であるとしたら、せいぜいソースやきそばくらいだもんな。

斎藤〜だから、多少遠くても、みんな食べに行くんです。

小哲〜この「竹浪食堂」だって周囲はりんご畑だし、ずいぶん辺鄙なところにありますよね。関東でも最近は郊外の辺鄙な場所に店ができたりしているけど、まあ、それほどラーメンが人を引きつけるってことなんでしょう。ところで、斎藤さん、いのししラーメンについて、少し説明をしてくれますか。

斎藤〜はい、この店を選んだ理由は、伝統的な郷土料理とは直接には関係はないけれど、土地の素材を使っていることで、選んでみました。

小哲〜いのししが土地の素材ということですね。

青森の各地でいのししが飼育されている

斎藤〜ええ、青森はいのししを飼育しているところが沢山あって、個別に点在はするんですけど、一つの地域の中のあっちにもこっちにもという県はたぶん青森県だけだと思います。

小哲〜ラーメンとしては、いわゆる伝統のラーメンではないけれども、青森県の地の素材を使ってやっているという意味で、いってみれば地ラーメンですね。

斎藤〜そうです。青森県では、脇野沢とか今別、平内といったところでいのししを飼っていて、「竹浪食堂」もラーメン屋ではあるけれど、自分のところでもいのししを飼っています。

小哲〜自分のところでいのししを飼っているってはスゴイですね。野菜も自分のところでつくっていたら、完全な自家製ラーメンになる。

斎藤〜ただ、自分のところのだけでは量が足りないので、ここは脇野沢のいのししの骨と自分のところのいのししの骨を使ってスープをとっています。そういう意味で、青森県のいろんなところでいのししを飼育しているということもこのラーメンでわかります。

小哲〜前に長野の山奥のほうで野生のいのししや熊を食べさせる店に行ったことがあるけど、あそこは、鍋にしたり、焼いたりで、ラーメンまては作ってなかったな。でも、いわゆる一般的な豚と違って、脂が臭みがなくて美味しかった。いのししでラーメンを作ろうというのも、やっぱりラーメン好きの青森だからかな。

甘い香りとコクが持ち味のいのしし

斎藤〜さて、いのししラーメンの登場です。

07011002.jpg
小哲〜なるほど、これがいのししラーメンですか。だしをいのししの骨でとっているというだけだから、とくに見かけが変わっているわけではい。具はチャーシューの代わりにいのししの肉を焼いたやつが乗っていて、他には刻みねぎとメンマという、いたってシンプルな盛りつけです。スープは濁らさずに透明に作ってあって、豚みたいな臭さもない。むしろ、ほんのりと甘い香りがしますね。

斎藤〜いのししの骨を使ってスープをとるのに、よく、くたくた煮てトンコツスープみたいにしてしまう人がいるんだけど、ここはゆっくり濁らせないように煮てとっているので、いのししの甘味というか、うまみが出ていますね。だしはいのししの持ち味を出すすために香味野菜等は入れずに、しょうがだけを使っているそうです。雑味もないですよね。

小哲〜そうですね、この雑味のない甘いかおりとうまみがいのししならではなんでしょうね。それで、麺はというと、これはやっぱり青森の標準的なタイプなのかなあ。中細で縮れている。

斎藤〜麺は、青森の場合大きな製麺会社があって、それを使っている店が多いんです。だからどうしても似てしまうし、まだまだ改善の余地があると思います。青森には自家製麺の店もけっこうあるんですがね。ところで、そのいのししの肉のほうはどうですか?

小哲〜うん、この肉がいのしし独特のうまみとコッテリ感があって、いいですね。いのししの肉ってよくかんでいると、じんわりと独特のうまみが広がってくるんですよね。豚よりも水っぽくないし、肉に赤みが強いぶん、味も濃くてこってりしていますよね。

素材がよければ、よけいな材料は必要ない

斎藤〜こちらのご主人によれば、豚は1年経つと肉が硬くなるけど、いのししは5、6年経っても硬くならないそうです。

小哲〜もともと豚よりも肉質がしかりしているけど、それ以上には硬くならないということなのかな。それにしても、よくいのししをラーメンに使いましたよね。

07011003.jpg
斎藤〜こちらのご主人の竹浪さんは元々は横浜に住んでいたんですが、昔、新宿の「栃木屋」という店でよくいのししを食べ、肉だけでなくいのししの骨でとったスープのうまさも忘れられなかったみたいなんです。それで、その後、1982年に現在の場所に移ってきてから、いのしし牧場をはじめ、最初はいのしし鍋の店として始めたのですが、やがてラーメンも出すようになったそうです。ただし、いのししは豚と違って一回に生む子供の数も少ないしストレスに敏感なので、飼育もむずかしい。それと3年育てないと出荷できないので、コストもかかり、生産効率も悪い。
だから、脇野沢やその他の提携牧場から豚の骨が入手できるようになって、ラーメンが作れるようになったそうなんです。

小哲〜ふつう鶏や豚でも、餌や飼育環境が悪くて不健康になったりすると、脂が臭くなるんだけど、野生のものは飼育したものと違って、そういうことがないですよね。だけど、いのししは飼育されたものでも、あまり臭くならないみたいだな。そういば、中国に金華ハム用の豚で金華豚っているでしょ。あれがいま神奈川県の御殿場のほうで、もともとは日中友好で譲り受けたものが、飼育されていて、この肉を以前に食べたことがあるんですけどね。これがちょっとバラの花みたいな甘い香りがしてうまいんですよ。いい香りがするところが、ちょっといのししと似ているんだな。

斎藤〜結局、素材がよければ、他に野菜を入れたり、色々入れる必要がないんですよね。

小哲〜そうですね。要するに、素材としての豚や鶏が不健康に育ったものだと肉質が悪く、特に脂身が臭いので、どうしても素材の持ち味よりも、臭みを消すためにいろんな材料を重ねて使うようなっちゃうんですよね。 

斎藤〜このラーメンも格段ここの親父さんがこだわりの作り方をしているということでもないんですが、丁寧でセオリーどおりに作っているから、素材の味がきちっと出ています。

小哲〜そう、それが料理の基本だと思うのね。素材があって、どういうふうにしたらおいしいか、順番に必要なものだけ入れれば美味しくできちゃうわけだから。ラーメンだってまったく同じなんですね。ところで、ラーメンのだしというと、今のところ、動物系では豚、鶏、牛、くらいなんだけど、こうしてみると、まだ他にもありそうですね。

斎藤〜鴨なんかもいいんじゃないですか。

小哲〜うーむ、それならばいっそのこと、アイガモ農法のアイガモで作ったアイガモ南蛮ラーメンなんて、どうかな。おっと、イカンイカン、なんだか自分でラーメン屋を始めたい気分になってきた。さて、斎藤さん、この次はどこへ行きますか。

斎藤〜次はですね、秋田県へ行きたいんですが、ここにも隠れた名店があります。乞うご期待ですね・・・・・・。


つづく...

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.oishinbo.net/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/33

この一覧は、次のエントリーを参照しています: 第11回 日本全県ラーメン巡り その5:

» 1月10日 本日のメモ 送信元 ラーメン大好き小○さん (1ヶ月で100軒制覇に挑戦したブログ!!)
なんかメモばっかり書いている気がします(笑) えーと、だいたい24時間遅れくらいまで戻しましたよ(^^ゞ というわけで、水曜日の分の本日のメモです。 ... [詳しくはこちら]

カテゴリー
このページについて

2007年01月10日 10:49に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「第10回 日本全県ラーメン巡り その4」です。

次の投稿は「第12回 日本全県ラーメン巡り その6」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。


(C) Tetsu Kariya All Rights Reserved. No reproduction or republication without written permission.
イラスト/花咲アキラ(「美味しんぼ」より)
掲載の記事・写真・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。