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   <title>美味しんぼ塾ラーメン会議</title>
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   <title>北陸編（その６）富山県水橋大正町「昇喜堂」</title>
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   <published>2007-04-25T17:01:04Z</published>
   <updated>2007-04-25T17:18:37Z</updated>
   
   <summary>「昇喜堂」 富山県水橋大正町２３４５　 電話０７６-４７８-０２７５ 漁師さんが...</summary>
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      <![CDATA[「昇喜堂」
富山県水橋大正町２３４５　
電話０７６-４７８-０２７５

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漁師さんが集まる食堂がある。
一時過ぎから宴会が始まっていることもあるとか。
場所は、水橋漁港から三分。海の香りが、鼻をつく。かつては、川が横を流れていた。
漁師達は、真横に上陸し、そのままこの店で食事を楽しんだ。その名残が、店の前に立つ「浄土橋詰め」の石碑。今でも取れたての魚を土産に集まってくる。
石碑は、昭和４５年で百周年とあるが、このお店は昭和２５年の創業。

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父の代から高下駄はトレードマークと、今日もカランコロン。居場所が、すぐに判る。
この笑顔で今も一杯４８０円を守っている。

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お店の中には大きな鍋のかかったストーブが一台。刺し網にかかり、売り物にならない魚を持ち込んでくる。その一匹も無駄にせず煮る。１５０円のライスを注文すると、何か一品ついてくる。このアッサリと醤油と生姜で甘辛く煮込まれた魚は絶品である。
今日も１ｍ余りの生きたサメが持ち込まれた。早速、刺身にして振る舞われた。鮮度が良いのでほとんどの人は、サメとは判らずに食べていた。

<img alt="07042504.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07042504.jpg" width="410" height="350" />

この店のサービスはこれだけではない。どの机の上にも切った羅臼昆布がおいてある。富山の親爺達なら、この昆布だけで２合は飲める。

<img alt="07042505.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07042505.jpg" width="410" height="270" />

ラーメンは意外にもアッサリスッキリ。ほのかに鳥の甘みさえ感じる。麺は歯ごたえモチモチ。一杯飲み干しても　もう一杯いけそう。

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   <title>北陸編（その５）富山県富山市「塩苅食堂」</title>
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   <published>2007-04-18T07:20:10Z</published>
   <updated>2007-04-18T07:24:43Z</updated>
   
   <summary>「塩苅食堂」 富山県富山市梅沢町１-５-１５　　 電話４２１-６５２０ 富山市の...</summary>
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      <![CDATA[「塩苅食堂」
富山県富山市梅沢町１-５-１５　　
電話４２１-６５２０

富山市の中心から、南へ２km。高校２校、小・中学校が集中している学生街がある。
学生街と繁華街のちょうど中間に、「塩苅食堂」がある。

<img alt="07041801.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07041801.jpg" width="410" height="350" />

焼き芋屋さんとして戦前に創業。その後、手打ちのそば屋に。ラーメンを作り始めたのは戦後まもなくから。
そういえば　妻もよくお世話になったとか。
お昼は、サラリーマンの車が並び、夕方には学生の自転車が並ぶ。
この、前に並ぶ自転車を探す事は「美味しいお店」を探すときの鉄則。
又このお店は２時を過ぎても忙しい。近所のおじいちゃん、おばぁちゃがやってくる、地域の大切な食堂である。

<img alt="07041802.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07041802.jpg" width="410" height="270" />

今でもラーメン一杯、驚きの４５０円。
張られた価格修正の紙が、茶色く焼けている。１５年も前からこの価格を守っている証拠。値段を上げないのも心意気。
ラーメン、そば、うどんの種類だけでなんと３３種類もある。

<img alt="07041803.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07041803.jpg" width="410" height="350" />

一杯４５０円。
この価格を支えているのが、創業以来続けられている添加物ゼロの「自家製麺」。
冷蔵庫で二日寝かされる麺。毎日、天候と小麦粉の顔色をみつつ麺を作り続けている。
毎日１３０玉を打つ塩苅食堂の麺。実は、一玉の量が結構多い。店主、悦子さんの豪快な性格によると言う人もいる。細めの縮れ麺は、色白・モッチリ・ツルツル・・・。
最近、トッピングやスープの材料を自慢するお店も増えているが、ラーメンはヤッパリ麺が命。噛むと、何故か懐かしく、モチモチの麺からはシッカリ小麦を感じる。

<img alt="07041804.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07041804.jpg" width="410" height="270" />
　　　　　
アッサリ、スッキリした味のスープ。しかし、香りに深いコクを感じる不思議。女子校生でもきっちり飲み干してゆく。
店主の悦子さんに聞いてみた。
鶏ガラベースの豚骨。ああ、この豚骨が鳥だけではない香りの素か。そして特製醤油。隠し味は、家族と私の笑顔と悦子さんは照れる。
この悦子さんの学生さんへの思いが、チョット多めの一盛りになってしまうのだろう。
大盛りを頼むと、私でもたどり着けない。
隠れたメニューは、チャーシューおにぎり。ぜひ、ラーメンは並盛りにしてチャーシューおにぎりまでたどり着いてほしい。
出前配達を止めてしまったお店が多い中、今でも出前をして頂ける。
おじぃちゃん、おばぁちゃんにも心強いお店だ。
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   <title>北陸編（その４）富山県富山市「南京千両」</title>
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   <published>2007-04-11T07:08:26Z</published>
   <updated>2007-04-11T07:15:12Z</updated>
   
   <summary>『南京千両』 元町店：富山市元町一丁目三の十九 TEL：０７６-４２１-７０９７...</summary>
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      <![CDATA[『南京千両』
元町店：富山市元町一丁目三の十九
TEL：０７６-４２１-７０９７

蛯町支店：富山市蛯町四の六
TEL：０７６-４２５-９２９７

<h3>富山で育った九州ラーメン！！</h3>

富山では「他所のラーメンは育たない」と言うジンクスがある。
そんな富山で「九州ラーメン」と力強く暖簾に書いて繁盛し続けている店がある。
「南京千両」である。

<img alt="07041101.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07041101.jpg" width="410" height="270" />

実は、私も子供の頃から「南京千両　元町店」へはよく通ったものだ。
元町店は昭和３２年開業。もう５０年経ったことになる。思い出せば、私が小学生の頃、スキー帰りに大盛りにするかワンタン入りにするか迷ったのも「南京千両」だった。
今日は「南京千両　蛯町店」で店主、飯田武司さんにお話しを伺った。

<img alt="07041102.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07041102.jpg" width="410" height="350" />

昭和４６年に開店された武司さんの蛯町店も、すでに３６年も経っている。
ここで、前から思っていた疑問を武司さんへぶつけてみることにした。それは、九州博多育ちの友人が言った「この味は、博多の味ではない」の一言に対する疑問だった。
この疑問、今日、武司さんにお話しを伺って謎が解けた。
武司さんのお父さんは、富山県黒部市のお生まれ。お母さん輝子さんは、九州久留米市のお生まれ。輝子さんのお父さんは、その頃、専売公社の社員をなさっており、その関係で　輝子さんは幼い頃台湾で過ごされた。
耕作さんは戦後、奥様の里、久留米でラーメン屋台を曳きつつ輝子さんと共に、工夫を重ね、生まれ故郷富山に店を持たれたそうだ。
ちなみに久留米の名店「大砲らーめん」、香月均さんとは従兄弟同士とか。
「久留米ラーメンなんですね」と聞くと、「豚骨だけを用いているところは、久留米と同じなんだが、富山の味覚に合わせようと、両親とも結構工夫を重ねたんですよ」とおっしゃった。

<img alt="07041103.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07041103.jpg" width="410" height="350" />

黒部市生まれ、お父様の富山味と、屋台で磨いた九州久留米の味、台湾で培われたお母様の記憶の味も加わり、南京千両の味が育っていったのだろう。
これこそ、アウェーの地、富山で「南京千両」が繁盛された理由か。
麺は、富山に合わせた中細縮麺。小麦の香りが生きる優れもの。
自家製ワンタンを用いたワンタン麺は　約五割のお客さんが注文する。

<img alt="07041104.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07041104.jpg" width="410" height="270" />

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   <title>北陸編（その３）富山県富山市「末弘軒」</title>
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   <published>2007-04-04T05:12:48Z</published>
   <updated>2007-04-04T06:54:28Z</updated>
   
   <summary>『末弘軒』 本店：富山市総曲輪４-６-９ TEL：０７６-４２１-７０１７ 藤ノ...</summary>
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      <![CDATA[『末弘軒』
本店：富山市総曲輪４-６-９
TEL：０７６-４２１-７０１７

藤ノ木支店：富山市大島２-１２９
TEL：０７６-４２２-０３６７

<img alt="07040401.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07040401.jpg" width="410" height="350" />

末弘軒の歴史は、昭和６年に始まったと聞きます。現在は、三代目山口一弘さんも一緒に働いておられます。

二代目、山口稔さんに初代の頃の話を伺いました。

<img alt="07040402.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07040402.jpg" width="410" height="270" />

父が屋台をひき始めた昭和６年当時、すでに３０台ほどの屋台が富山中心地区二平方キロ内に営業をしていた。そのころは、まだラーメンという名前も認識もなかった。その上、日本人の食べるべき物ではない等の心ない言われ方もしたそうだ。そこで日本蕎麦と区別する意味で支那ソバとよばれ、一段も二段も下に見られていた。一杯１０銭の商いだったにも関わらず、一晩中屋台をひいて、たった９杯の売り上げしか無かったことも有ったと聞く。それでも、嬉しいことに「末弘軒」の名前は、当時この屋台を愛するお客様から他の店と区別する意味で送られた。
その後、昭和１１年に現在の場所に店を構える事になりました。当時、この場所は柳の下通りと呼ばれており、以後現在に至るまで末弘軒と言うよりは柳の下と呼ばれ愛されています。少なくとも、私が記憶している昭和３０年代には、富山城へ続く通りに柳の下通りと呼ばれる通りがあり、その前には直径６０センチほどの柳の木が何本もあったと記憶している。
ここの麺は、中細チチレ麺。すべて自家製手打ちにこだわっておられます。

<img alt="07040403.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07040403.jpg" width="410" height="350" />

したがって、丼の中には、太さ・縮れ方の違う麺が混在しています。スープは、鶏ガラ・煮干しの透明アッサリスープが、私の知る限り４０年以上引き継がれている。
透き通ったスープは上品なオスマシ。ほとんどのお客さんは女性も含めて飲み干して帰られます。 私ばかりでなく、来店されるほとんどのお客様がワンタン麺を注文されます。

<img alt="07040404.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07040404.jpg" width="410" height="350" />

シコシコと歯ごたえがある麺と箸では摘めないほどトロトロになる薄皮ワンタンのコントラストに、一杯の幸せを実感する。]]>
      
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   <title>北陸編（その２）富山県富山市「まるたかや」</title>
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   <published>2007-03-28T07:33:46Z</published>
   <updated>2007-03-29T05:09:39Z</updated>
   
   <summary>まるたかや 富山市牛島本町1-1 TEL：０７６−４３２−６１２７ 富山は、ラー...</summary>
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      <![CDATA[<strong>まるたかや</strong>
富山市牛島本町1-1
TEL：０７６−４３２−６１２７
<img alt="07032801.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07032801.jpg" width="240" height="320" />

<h3>富山は、ラーメン王国なのかもしれない。</h3>

昭和６年には、すでに３０軒程のラーメン屋台が有ったという。
今でも、生蕎麦の暖簾をくぐって入っても、お店のお品書きにはシッカリ、ラーメン又は中華そばの文字。

<img alt="07032803.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07032803.jpg" width="410" height="270" />

富山で４０年以上愛されてきたお店と言えば「まるたかや」がある。
このお店には、私も学生時代よく通った。７、８人も入れば一杯で、外にあるベンチか立ち食いとなる。それでも入りきらず、窓から出して頂いた中華そばを急いでほおばったものだ。
「ニンニク　脂　いっぱい入れて！！」
こってり好きの学生に、焼き豚を一枚サービスと入れてくれた、お爺ちゃんの顔が浮かぶ。
そのころ、「まるたかや」は、富山市民体育館の近く、富山駅との間にあり、バレーボールの試合に負けた後、監督に怒鳴られ全員無言で掻き込んだ思い出がある。
ここの中華は、揚げ玉（脂かす）を入れてこってり具合を調節する。

<img alt="07032802.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07032802.jpg" width="410" height="270" />

揚げ玉とは、豚の背脂を細かく切って、ラードでカラリと揚げたもの。カリカリとして、歯が立たないくらい固いが、スープに馴染んでトロリとしてきたころ、麺と一緒にガツガツ掻き込む。いま、これだけ太っているのはこの時の油の揚げ玉のせい。

<img alt="07032804.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07032804.jpg" width="410" height="350" />

それと、その頃のチャーシューはバラの角切り。親指大の角煮のようなチャーシュー。お爺ちゃんの気持ちしだいで増えたり減ったりした。何枚はいるか、手元をジーッと睨んでいた自分を思い出すのは辛く恥ずかしい。

「まるたかや」は、煮豚醤油、鶏ガラの一品勝負のお店（塩や味噌ラーメンは存在していない）。
そんながんこなお店に、何故かおでんがある。畳半分は有ろうかという角鍋に、溢れんばかりに入っている。
中でも、豚バラの串が評判。通はただ「串」という。二センチ角のバラがきっちり串に行儀良く並ぶ。多くの人が　豚バラ串五本に味噌タレと和辛子をつけてたべる。

<img alt="07032805.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07032805.jpg" width="410" height="270" />

さて、最近「まるたかや」さんも多店舗展開を始められ、県内に七店舗ある。そのせいばかりでも無いが、この「まるたかや」の麺、昔はザラザラ感と小麦の香りが強かったが、最近行ってみると、いつの間にかツルツルした麺に変わっていた。チャーシューもバラの角切りからバラの糸巻きチャーシューへ。そして糸巻きをしない豚肉へと変わったようだ。
スッキリして食べやすくなったという仲間もいるが、昔の爺ちゃんが指をつっこんで出してくれたしつこい味が好きなのは、年のせい？


<a href="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen_zinbutu/profile_terashima.html" target="_blank">北陸地方塾講師　寺嶌圭吾</a>

<img src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen_zinbutu/images/port/terasima.jpg"  style="float: left; margin-right: 10px;"/>北陸担当の寺嶌です。私はその土地で２０年以上営業を続けている店を紹介していきます。土地に根付くと言うことはコストパフォーマンスばかりでなく、その土地の人々の舌に合わせて育ってきた結果であると考えるからです。どうぞ、歴史の味もお楽しみ下さい。 ]]>
      
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   <title>北陸編（その１）岐阜県神岡町「居酒屋ちんかぶ」</title>
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   <published>2007-03-21T11:42:43Z</published>
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      <![CDATA[<img src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen_zinbutu/images/port/terasima.jpg"  style="float: left; margin-right: 10px;"/>北陸担当の寺嶌です。私はその土地で２０年以上営業を続けている店を紹介していきます。土地に根付くと言うことはコストパフォーマンスばかりでなく、その土地の人々の舌に合わせて育ってきた結果であると考えるからです。どうぞ、歴史の味もお楽しみ下さい。 

<a href="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen_zinbutu/profile_terashima.html" target="_blank">北陸地方塾講師　寺嶌圭吾</a>


<strong>居酒屋ちんかぶ</strong>
〒506-1111　岐阜県飛騨市神岡町東町５７５番地 渚ビル1F　
TEL：０５７８−８２−５５０７
<img alt="07032100.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07032100.jpg" width="410" height="338" />

<h3>〜神岡鉱山が生んだ味。
それは・・・スープの表面に薄い膜が張る不思議なラーメンなのだ！！〜</h3>

経営者、多斐紀子さんにお話しを伺った。
今から５０年以上前、三井鉱山神岡精錬所の全盛期は三万人に迫る人口があり、いくつもの映画館が繁盛していたそうだ。その鉱山町に居酒屋「ちんかぶ」は生まれた。
「ちんかぶ」初代店主、多斐紀子さんがお酒の〆にふさわしい「支那そば」  を作りたいと、常連さんとラーメンを食べ歩き改良に改良を重ねて作り出した。

<img alt="07032101.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07032101.jpg" width="410" height="368" />

最初の味は、鶏がらスープとさば節出汁のさっぱり味、細打ちちじれ麺だった。現在の味になったのは三十年位前。豚のゲンコツと飛騨牛の骨を更に加えてコクのある独特の味に進化させた。この味になった歴史には、東洋一と言われた亜鉛の鉱山にありました。
「三井鉱山神岡精錬所」の坑道は地下１０００メートルに達し、全長は全ての坑道をつなげると東京都心から鳥取市までの距離に匹敵するという。その抗夫として在日の方や朝鮮半島から多くの人々がきて働いていらっしゃいました。当然、居酒屋「ちんかぶ」にもラーメンを食べにいらっしゃいました。彼らはダルマストーブの上に鉄板を置き、持ち込んだ牛のテッチャンをのせて食べていたそうです。
毎日力仕事を続ける抗夫には、何をさておいても「力の出るラーメン」が必要だった。その彼らから豚骨や牛骨を使うスープのヒントを得ました。今でも牛ホルモンは飛騨の名物である。多く余る牛骨に目を付け、これでもかと溢れるほど寸胴に入れる。

<img alt="07032103.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07032103.jpg" width="410" height="676" />

あとはひたすら煮る。これが元のスープです。上にうっすらと膜が張っています。この膜こそこのラーメンの特徴。薄く張った膜は 、和食の湯葉のよう。
薄い膜が張る不思議なスープ！大量生産は難しいけど味に深みのあるスープです。

<img alt="07032102.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07032102.jpg" width="410" height="338" />

その後、麺も再度スープに合わせて試行錯誤のすえ、現在の「歯ごたえのある細打ちちじれ麺」になったのです。
お店のある神岡町はノーベル物理学賞を受賞された小柴先生がおつくりになったスーパーカミオカンデで有名です。]]>
      
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   <title>日本全県ラーメン巡り、拡大版が始まります。</title>
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   <published>2007-03-14T10:59:26Z</published>
   <updated>2007-03-14T11:04:54Z</updated>
   
   <summary>「日本全県ラーメン巡り」、全国６地域の講師の参加による拡大版シリーズが始まります...</summary>
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      <![CDATA[「日本全県ラーメン巡り」、全国６地域の講師の参加による拡大版シリーズが始まります。東北シリーズ（パート１）では、昨近の流行リとは無縁だが、地域の文化として根づき人々に愛されてきたラーメンに出会い、また、レベルの高さにも驚かされました。拡大版では、さらに日本各地の郷土ラーメンへと範囲を広げ、各地のラーメンとそれを育んだ地域の味と歴史、そして人々のラーメンへの情熱を、各地区の選任講師より伝えていただきます。講師達の眼と舌に乞御期待。

６地区の講師
北海道地区　　　　<a href="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen_zinbutu/profile_tukita.html" target="_blank">附田　真武</a>
東北地区　　　　　<a href="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen_zinbutu/profile_saitou.html" target="_blank">斎藤　博之</a>　　　
北陸地区　　　　　<a href="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen_zinbutu/profile_terashima.html" target="_blank">寺島　圭吾</a>
関東地区　　　　　<a href="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen_zinbutu/profile_kitajima.html" target="_blank">北島　秀一</a>
関西地区　　　　　<a href="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen_zinbutu/profile_okiyama.html" target="_blank">沖山　欣也</a>
九州地区　　　　　<a href="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen_zinbutu/profile_sakamoto.html" target="_blank">坂本　二郎</a>
]]>
      
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   <title>第18回　日本全県ラーメン巡り　その12</title>
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   <published>2007-03-08T00:03:39Z</published>
   <updated>2007-03-08T01:46:47Z</updated>
   
   <summary>東北ラーメンめぐり、最終回 「日本全県ラーメン巡り〜東北編」もいよいよ今回で最終...</summary>
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      <![CDATA[<h3>東北ラーメンめぐり、最終回</h3>

「日本全県ラーメン巡り〜東北編」もいよいよ今回で最終回を迎え、東北のラーメンのレベルの高さから、郷土ラーメンの魅力まで、斎藤講師の話にも熱がこもる。「日本全県ラーメン巡り」は、まだ東北３県を終えたばかりだか、今後は各地域の講師にひきつがれ、日本全県の郷土ラーメンをカバーする。どのようなラーメンが登場するのか、大いに期待してほしい。


<h3>東北のラーメンのレベルの高さに驚いた</h3>

<strong>小哲</strong>〜今回は、斎藤さんと一緒に5日間にわたって、青森県、秋田県、山形県の東北3県のラーメン屋を食べ歩いたんですけど、とりあえず、僕の感想からいうと、東北のラーメンのレベルの高さに驚きました。もちろん、斎藤さんがいい店を選んでくれてるってこともあるけれど、全体の印象でいうと、関東よりも品のいい味で、これはまったく予想外でした。最近の東京のラーメンは、やれインパクトだのパンチだのといって、出汁も具もやたらゴテゴテしているのが多いんだけど、東北の場合は、人間でいえば、おおむね肩肘はるとこもなく、居住まいのいい人って感じだったなあ。じつ言うと、もっとしょっぱかったり、グチグチャしたどんくさい味かと思ってたんですよ。ところが大違いで、地域それぞれのラーメンにその地域なりの洗練があった。青森県の「煉瓦亭」も、酒田の「三日月軒」もよかったし、とくに十文字の「丸竹食堂」のラーメンなんか、毎日でも食べたいくらいですね。

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<strong>斎藤</strong>〜東北全般についてみると、日本でラーメンという食べものが最初に成立したときに近いつくり方のラーメンだと思うんですね。ただ、手元にある食材が焼き干しだったり、煮干しだったり、その土地土地でいろいろで、それを使うということをことさら強調しているのではなくて、それはその場所にあるから使っているのであって、それにインパクトを持たせようという気持ちはさらさらないわけですから。
　
<strong>小哲</strong>〜そうですね。青森はイワシの焼き干しがあったからそれを使った。そば屋さんでもそれを使ったし、つゆものとか煮物にもそれを使った。その流れでラーメンにも使ったんだと。でも、ただ単にあったから使ったというのではなく、最初に入ってきた時は中国系の味であったはずで、それが時が経つうちに、煮干しを入れたほうがなにかしっくりとくる、うまい、ということで使われるようになったんじゃないかな。つまり、しだいに自分たちの舌に合わせてしまった。カレーなんかもそうですよね、インドからイギリス経由ではあるけれど。

<img alt="07030802.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07030802.jpg" width="410" height="305" />

<strong>斎藤</strong>〜大間の場合は、真昆布がとれる地域なので、それを使って出汁をとった。函館もほんとはそうなんですけども。そして、南部地方のはじかみとか、煮干しがとれる地域では煮干しを使う。酒田は、アゴの焼き干しが飛島でつくられているので、それを使った。それぞれの地域で自分のところで手に入りやすい食材で、ラーメンというものの中に一つのバランスとして使う。

<strong>小哲</strong>〜行った店をずっと並べると、なんだ、どこも煮干しじゃないと思うんだけども、煮干しにそれぞれ違いがあるんですよね。それと、日本全体を見ていくとわかるのかもしれないけども、もともとラーメンのルーツは中国で、上海でも広東でも海に面してるところはいくらでもあるけれども、出汁は牛、豚、鶏、ほかに金華ハムなどの動物系で、基本的には魚出汁は使わないでしょ。ところが、周囲を海に囲まれている日本では、煮干し、かつお節、さば節の節文化があるから、結局、スープにもその土地の節文化が入り込んでいる。そういう意味では、魚味というのはごく自然な、なるべくしてなったﾞ日本のラーメンの味なんでしょうね。

<h3>土地ごとに微妙に違うところが、土地らしさ</h3>

<strong>斎藤</strong>〜いままで見てきた東北のラーメンというのは、材料を文字に書いて並べてしまうと、煮干し、焼き干し、昆布、云々かんぬんという、似たものになるんですが、土地ごとにそれぞれ微妙に違って、その微妙に違うところがその土地らしさだと思うんですね。郷土のラーメンというのは多様なんだけど、その多様性というのは、うちはこれ、とバーンと主張しているのではなくて、その土地毎に微妙なずれというか、差異があって、その連続だと思うんですね、ずっと北から順に歩いて来ると。

<strong>小哲</strong>〜そうですね。青森県、秋田県というような現在の行政区分的な視点では、郷土料理などの歴史的な流れの中で形成されたものは捉えきれないですよね。青森県だって津軽と南部に分かれていて、南部は岩手県と重なっているわけ出汁。だから、足でずっと歩いてゆくと、少しづつ違ってくるのがわかる。少しずつ違うから。県ごとではないし、さらにあえていえば、港と川とかの交通の要衝をおさえる必要があるかもしれない。

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<strong>斎藤</strong>〜いま郷土のラーメンというのは、最近、ここ10年ぐらい流行の、この食材にインパクトを持たせました、と主張していうのではなくて、その土地の食材を活かしつつ、一つのどんぶりの中にまとめているというか、まとめようと思ってまとめてるんじゃなくて、何十年とかいう時間、幾世代かをかけて、そういうものになってきたんですね。

<strong>小哲</strong>〜そういうものとしてできあがった、そういうことですよね。
　
<strong>斎藤</strong>〜で、その土地の人がずっと長く、例えば、毎日食べに来たりするわけだから、米沢の喜久家さんなんか、お客さんが毎日食べに来るっていってましたね。

<strong>小哲</strong>〜そうそう、毎日来る、夜も来るって行ってましたね。

<strong>斎藤</strong>〜毎日食べることができるということは、その土地の人がこういう味が好きだというものがあって、それにだんだんなっていくということでもある。

<strong>小哲</strong>〜新しいラーメン屋さんを見つけて食べたらおいしかった、じゃなくて、おそらく土地の人たちが普段食べているものとラーメンが一つのまとまりになって、彼らの好みの味が出来上がってると思うんですよね。小学校、中学校時代から食べて、高校になって、大人になって食べて、いちばん体になじむ味っていうのがあのラーメンだって、それはその土地の人の味であって、それがいわゆる郷土の味っていうかね。ご当地とは違う、地の人の味のラーメンだと思うんですね。

<h3>郷土ラーメンはどれもみんな優しい味</h3>

<strong>斎藤</strong>〜いわゆる、「ご当地ラーメン」というのは、町おこしとか地域おこしであえて名前をつけて、みんなから注目されるためにはなんらかの特色を表に出している。逆に「郷土のラーメン」というのは、ラーメンを作っている人もそこで何世代か続けて作っていて、そして、お客さんも、前の世代も、その前の世代もそのお店のお客さんだったりするわけですよ。だから、これと強く主張しなくても、ずっとその土地に伝えられてきた食べものの味というものにだんだん収斂していく。何かを強く主張するというのではなくて、ずっとその土地の人に愛されるということは、その土地の食の文化をラーメンも持っている。それは持たせようと思ったから持っているんじゃなくて、自然に幾世代か伝わっていくうちにそういうものにだんだんなってきた。だから、何かひとつとんがっているというんじゃなくて、どれもみんなやさしい味だったと思うんですね。

<img alt="07030804.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07030804.jpg" width="410" height="295" />

<strong>小哲</strong>〜そうですね。ラーメンてどんぶり一杯の中にすべてが入っていて、いわば麺とスープという形式による規定種目なんです。だから、この「ラーメン会議」で地方めぐりをすることで何を期待するかというと、今後九州とか、和歌山とかに行っても、基準となる基本形があるから、そのような地域ごとの文化や人間の違いがよく分かると思うんです。で、さらにいえば、日本の各地にはいろんな種類の郷土料理があるけれども、ラーメンという形で日本全国を比較していくと、日本の食文化って何だろう、そして日本人て何だろう、というところまで見えてくるんじゃないかと思うんです。そうなると、たかが一杯のラーメンでも、面白くなってくる。

<strong>斎藤</strong>〜日本人て何？　ということも見えてくるし、それが見えてくることによって、逆に、東北って、四国って、というのも見えてくるでしょうね。

<h3>郷土ラーメンからは日本人の食べもののいろんな側面が見えてくる</h3>

<strong>小哲</strong>〜そうそう。その前にもう一つ、なぜ日本人てこんなにラーメンが好きなんだろう？が「美味しんぼ会議」の最初の疑問だったんです。斎藤さんのおかげで、今回は、「なぜ東北人はこんなにラーメンが好きなんだろう？」になりました。しかし、なぜこんなに好きなんでしょうね、東北人は。他にも、うどん文化とか、そば文化ってあるじゃないですか。米沢はもう少し北の方に行くとそば文化が非常に強いって、斎藤さん言ってましたよね。

<strong>斎藤</strong>〜米沢もそばの文化があるところなんですよ。ちょっと北の山形とか、村山とかの周辺には、最近はラーメン屋さんも結構出てきていますけれども、同じ山形県の中でも、米沢とか酒田とかに比べると、この土地のラーメンはこうだというものがあるわけでもないので、山形県のそばを食べる地域の中で米沢には、米沢のラーメンはこうなんだというのがあるんですよね。

<strong>小哲</strong>〜山形の北の方の人たちというのは、そば文化が根強く残ってるということなのかなあ。ラーメンが入り込む隙がないとか。

<strong>斎藤</strong>〜そこは置いとくにしても、日本人はなぜラーメンが好きなのかというのは・・・・・・。

<strong>小哲</strong>〜斎藤さんはどう思います？　東北文化を代表して。

<strong>斎藤</strong>〜うーん、すぐにはその答えはわからないんだけれども、ラーメンと呼んでいるものが、その土地、その土地で違うので、青森には青森のラーメンがあり、米沢には米沢のラーメンがあり、いろんな場所にいろんなラーメンがあって、「ラーメン」とか「中華そば」とか「支那そば」と呼んでいるものの中身が全部違うわけです。ですから、地域のラーメン、郷土のラーメンからは、東京にいる評論家とか、ラーメン通が語るラーメンとは違った、日本人の食べもののいろんな側面が見えてきませんか。

<strong>小哲</strong>〜まったく、そうですね。でも、みんな「ラーメン」もしくは「中華そば」と呼ぶからには約束事があるようで、僕が見てて思ったのは、東北３県をまわって、焼豚が入っている、メンマが入っている。それがあることによって「そば」じゃなくて「ラーメン」なんだという一種の記号が成立してるわけですよ、共通認識が。じゃあ、そばとラーメンとどこが違うかというと、動物系の出汁で、焼豚が入っているところ。動物系出汁は使っていなくても焼豚が入っているから、豚の脂でちょっと脂っぽくなる、それがラーメンらしさとして受けいれられているんじゃないですかね。でも、やっぱりその土地土地のラーメンの違いは、まずは出汁の違いとしてあるのかな。雑煮の出汁が地域ごとに違うみたいに。

<strong>斎藤</strong>〜自分たちが好きなタイプの味というのがあって、ラーメンの方がそのように変容しているわけですよね。

<strong>小哲</strong>〜そうなんですね、自分達の舌に合わせてラーメンを変えていっちゃった。それでも、ラーメンから焼豚、メンマはなくならない。ただ、これは今すぐに答を出せる問題じゃないから、全国を取材していくうちに、なにかわかるしもしれない。そうしたら、また斎藤さんの意見を聞かせて下さい。それじゃあ、どうも長い間ありがとうございました。

<strong>斎藤</strong>〜いやいや、とても楽しかったです。お疲れさまでした。


（了）]]>
      
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   <title>第17回　日本全県ラーメン巡り　その11</title>
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   <published>2007-02-28T19:59:15Z</published>
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      <![CDATA[	同じ米沢市内であっても、ちょっと郊外に行くとたんぼの広がる田園地帯になる。そんなのどかな景色の中に、昔と変わらぬ姿の「さつき食堂」があった。常連はラーメン好きの米沢市民だけでなく、毎年必ず遠く関東からやって来る客もいるという。塾頭と斎藤講師が店ののれんをくぐると、そこはほのぼのとした別世界だった。

●店データ
住所: 米沢市大字関根13562-7
TEL: 0238-35-2753　
営業時間 : 11:00〜15:00(スープが売り切れ次第閉店)　
定休日: 月曜日

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<h3>山とたんぼと中華そば</h3>

<strong>小哲</strong>〜いやァ、なんて言ったらいいんでしょうね、こういうラーメン屋は、僕は初めてです。東京では絶対にありえない、米沢というか、田舎ならではのラーメン屋ですね。とにかく、都会にいたらこんなラーメン屋があるなんて、想像すらできない。

<strong>斎藤</strong>〜ここは奥羽本線の関根という駅から歩いて3分くらいのところなんですが、ご覧のようにまわりは田圃と山です。ちなみに、電車だと米沢の隣駅になりますが、さっき駅で時刻表を見たら電車が1日に6本しか走っていませんでした。朝7時と8時に1本ずつあって、その後はもう午後の1時までありません。

<strong>小哲</strong>〜ひやァ、どうりで駅が静かだった。町を歩いても、ぜんぜん人影がないしね。

<strong>斎藤</strong>〜たしか、この町、というか村には、食堂はこの店を入れて2軒しかなかったはずです。

<strong>小哲</strong>〜ええッ！ということは、この町でいちばんにぎやかなのが、このラーメン屋ってわけだ。いやはや、感慨深いですなあ・・・・・・・。

<strong>斎藤</strong>〜たった2軒のうちの1軒がラーメンなんですから、いかに米沢の人がラーメン好きかですよね。おっと、変なことに感心しているうちに、ラーメンができあがってきましたよ。

<img alt="07022801.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07022801.jpg" width="410" height="368" />

<strong>小哲</strong>〜じゃあ、さっそくいただきましょうか・・・・・・・。ほう、スープの色がずいぶん薄いですね。で、この味はやっぱり煮干しを使ってるんですね。でも、ここもそれほど煮干しの味が立っているわけではない、酒田みたいにはね。トリや豚のダシとうまく溶け合ってますね。スープとしては、さっぱりしていて、そして優しい味ですね。あと、この麺が細くて縮れているやつね、このところいつも言ってるけど、これ僕の好きなタイプなんです。

<h3>ネギも野菜も、みんな裏の畑で採れたもの</h3>

<strong>斎藤</strong>〜この細くて縮れているのがﾞ、米沢ラーメンの特徴ですね。

<strong>小哲</strong>〜この麺、けっこうもちもちしていて、あんまりカンスイも強くないし、かんでいるうちに、ちゃんと小麦のあまみが出てきて、なかなかいいなぁ。スープともよくあっている。あと、脂もほとんど浮いてなくて、かすかにチャーシューの脂が浮いているくらいですね。

<strong>斎藤</strong>〜全体としてスープはさっぱり系の、インパクトとは無縁の味ですねえ。煮干しと鶏ガラとバランスがとれていて、こってりでもないし、うまくまとまっていると思いますね。ところで、このラーメンに入ってるネギも、他の野菜も、みんな裏の畑でできたものなんですよ。さっきオバアチャンが裏の畑からとってくるのが見えました。

<strong>小哲</strong>〜えッ、そうだったんですか。そういえば、ここの厨房の窓からは裏の畑が見えるんですよね。さっき、オバアチャンが麺を茹で上がるのを待ちながら、外の畑を眺めてましたもんね。しかし、こんないい環境のラーメン屋ってめったにないですね。

<img alt="07022803.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/blog_images/07022803.jpg" width="410" height="303" />

<strong>斎藤</strong>〜この店は、1966年から今のオバアチャンが始めて、その時から自分で作った野菜を使ってたそうです。それと、ここはかまどに羽釜を置き、それで麺を茹でているんですよ。出汁は鶏ガラ、豚、煮干しのほかに、昆布や干ししいたけ、にんにく、などを使っているけど、あまり教えたくないって言ってました、聞いちゃったけど（笑）で、野菜は自分ちの畑で作っていて、ねぎも、キャベツもにんじんも、なんでもここで採れたもので、しかも、無農薬だそうです。

<strong>小哲</strong>〜フランス料理店の話なんだけど、10数年くらい前から、郊外の人里離れた場所に新しい店がいくつもできているんですけど、そういうところって、みんな裏に畑を持ってるとか、ハーブ園を持ってるんですよ。とにかく、それがその店のポリシーであり、ウリでもあるんですから。ところが、この店、「さつき食堂」は、昔から、ごく当たり前に自分ちの裏の畑でとれた野菜を使ってラーメンを作っていたわけで、そのへんのところがスゴイですよね。都会のシェフから見たら垂涎の的ですよ。

<strong>斎藤</strong>〜ことさらそれを強調してるわけじゃないですしね。お店の中のどこを見ても、そんなことひとつも書いてありませんもね。でも、ふと見ると、ネギが足りなくなると、おばあちゃんが畑にとりに行ってる。

<strong>小哲</strong>〜そのへんの大らかさが、なんともすばらしいですよね。しかも、作ってるのはラーメンなんだから。今回は郷土ラーメンということで、いろいろ食べて来たんだけど、その意味では、この店は、まさに土地に根付いたラーメンって感じがしますね。都会の人間から見たら、羨ましすぎるロケーションだ。

<strong>斎藤</strong>〜かまどで麺を茹でてるというところも、昔はこういうタイプのお店、結構あったと思うんです。今回は回ることができなかったんですが、青森県の黒石市というところに「長崎屋」というラーメン屋さんがあって、そこも同じようなかまどがあって、そこで麺を茹でてるんですよ。

<img alt="07022804.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/07022804.jpg" width="410" height="304" />

<h3>北前船がもらたした関西の文化</h3>

<strong>小哲</strong>〜ところで、この店もスープは醤油が薄めだし、とてもバランスがいいでしょ。たとえは関東のうどんと関西のうどんを比べると、関東はすごくしょっぱいんですよ。醤油がやたらと勝ってる。反対に関西に行くと、醤油が薄くて、薄口醤油を使ってるとか、出汁がかなりしっかりしてるとかね。だから、ラーメンの場合は、これは僕の先入観だったんですけど、東北のほうが゛ずっと味が濃いかと思ってたんですよ。ところが、関東のラーメンと比べると、この店も、それから、これまで食べてきた酒田や十文字のラーメンも、東北は全般的にあまり醤油が強くなくて、関東と比べると、意外にも関西のうどんに近いような印象なんです。

<strong>斎藤</strong>たぶん、お醤油の感じが山形県ていうのはこういう傾向にあるのかもしれません。　かつては酒田が北前船の停泊地でしたから、最上川流域に交易圏が形成され、例えば、紅花とかも船で最上川を下って酒田で北前船に積み替えられていました。ほかにも、このルートを通じた様々な形の文化の交流があって、同じように料理にも北前船経由による影響が見られるんですね。

<strong>小哲</strong>〜そうか、そういうのがありましたか。そうすると、この関根という場所も最上川の流域になるんですか？

<strong>斎藤</strong>〜この町自体は最上川に面しているわけじゃないんですが、山形県の酒田からずっと最上川の交易圏に入ると考えられます。

<strong>小哲</strong>〜なるほど。ある意味で日本海側の方が北前船という流れがあったから定期的にそういう文化が入っていたわけですよね。現在の交通からみると、関西とのつながりが見えてこないんだけど、じつは、かつては北前船や河川による水上交通を通じて、関西と近い位置にあったと考えていいんですかね。

<strong>斎藤</strong>〜はい、たぶんそういう傾向はあると思います。

<strong>小哲</strong>〜そういえば、来る途中で岩木山の近くにある店で食べたくじら餅なんてのも、それと関係ありましたよね。

<strong>斎藤</strong>〜ええ、くじら餅っていうのも、北前船で京都から伝わってきたものだけれども、今は山形県と青森県にだけ残っているんですよね。

<strong>小哲</strong>〜ただし、京都にはもうないんでしょ。歴史の皮肉っていうか面白いですよね。じゃあ、この話の続きは次回ということにして、いよいよ次回でこの「日本全県ラーメンめぐり〜東北篇」のパート1も最終回にしたいと思います。]]>
      
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   <title>第16回　日本全県ラーメン巡り　その10</title>
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   <published>2007-02-21T12:41:55Z</published>
   <updated>2007-02-21T13:41:59Z</updated>
   
   <summary>米沢といえば神戸、松坂に並ぶ銘柄牛の産地。一方、知名度では牛にかなわないが、店の...</summary>
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      <![CDATA[米沢といえば神戸、松坂に並ぶ銘柄牛の産地。一方、知名度では牛にかなわないが、店の数では日本一の密度を誇るというのが米沢ラーメンだ。塾頭と斎藤講師は、数あるラーメン屋の中でも牛骨を出汁に使った店「喜久家」を訪ねてみた。

●店データ
住所: 米沢市大町 3-4-7
TEL: 0238-23-0757　
営業時間 : 11:00〜22:00　
定休日: 無休

<img alt="07022101.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/images_blog/07022101.jpg" width="410" height="320" />

<h3>ラーメン店密度が日本一高い町</h3>

<strong>小哲</strong>〜日本全県ラーメンめぐりも、今回は米沢までやってきたんですけど、米沢といえば、僕なんかまっさきに浮かぶのが米沢牛です。でも、米沢ラーメンのほうは、あまり馴染みがない。

<strong>斎藤</strong>〜ところがですね、米沢は知られざるラーメンの町なんです。なにしろ、人口9万3000人の米沢市になんと219軒ものラーメン屋があるんですから。ちなみに、札幌が人口30万人弱のところに185軒。博多は人口123万人のところに23１軒です。　

<strong>小哲</strong>〜ということはですよ、ラーメン屋１軒あたりの人口密度に換算すると、米沢は市民424人に対してラーメン屋が１軒あるのに対して、札幌が1261人に一軒、博多は5324人に一軒ということで、米沢がダントツじゃないですか。なんとも驚異的な数字だけど、そのわりに全国的に知名度が低いのなぜなんだろう。

<strong>斎藤</strong>〜あまり知られてないのは、おそらく米沢が札幌や博多みたいに全国から人が集まる大都市じゃないってこともあれば、ラーメンにインパクトというものを求める最近の流行りとも無縁で、昔から変わらない普通のラーメンだからじゃないでしょうか。

<strong>小哲</strong>〜それにしても、ラーメン屋の密度でいえば、博多の10倍はあるってのは驚きですよね。それだけ日常的にラーメンが食べられているってことなんでしょうね。

<strong>斎藤</strong>〜青森もそうですけれど、毎日食べて飽きないラーメンなんだと思いますね。で、店の数も多いけれど、米沢ラーメンは、歴史も古いんです。関東大震災の後には、すでに中国人が屋台のラーメン屋を出していたといいますから。

<strong>小哲</strong>〜それって、青森でも、酒田でも同じでしたね。最初は中国人が始め、やがて日本人が真似て作るようになった。

<strong>斎藤</strong>〜そうですね。たしか、喜多方ラーメンも中国人の出した店から始まったといわれてます。

<h3>牛骨だしの新米沢ラーメン</h3>

<strong>小哲</strong>〜ところで、米沢ラーメンの特徴はどんなところですかね。

<strong>斎藤</strong>〜ひとことで言って、麺は細めの縮れ麺。スープは、鶏ガラ、豚、煮干しがベース。ただし、これまでの青森県、秋田県、酒田までのラーメンほど魚系の出汁が表には出ず、鶏や豚の出汁に深みを与える程度。で、「喜久家」の場合は、さらに地元の米沢牛の牛骨を出汁に使っているんですが、一般的に牛は使われていません。

<strong>小哲</strong>〜じゃあ、ここは通常の米沢ラーメンのスタイルに、さらに地元の米沢牛の風味を加えられた、より米沢的な進化形ともいえるんですね。

<strong>斎藤</strong>〜そうなりますね。私が、今回この店を選んだ理由の一つとして地の素材である牛をどう使っているかってこともあったんです。

<img alt="07022102.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/images_blog/07022102.jpg" width="410" height="366" />

<strong>小哲</strong>〜なるほど、いまラーメンがテーブルに運ばれてきたところなんでけど、すでに牛独特の香りがしますね。で、まずはスープからいくと・・・・・。うーん、実際に飲んでみると、最初は牛の香りがあるんだけども、口に含んでいると、ベースとなっている鶏の味が広がってきますね。あと、やっぱり煮干しが入っているからか、独特の、なんていうかな、ひなびたようなうまみが、動物系のだしに厚みを与えていますね。そして、スープに甘味があるんだけど、これは何の甘味なんだろう。

<strong>斎藤</strong>〜あ、この甘味は醤油の甘味じゃないでしょうかね。おそらくこの地域の醤油が甘いんだと思いますよ。

<strong>小哲</strong>〜そういうことですか。醤油は地域によって甘かったりしますもんね。でも、醤油ラーメンとして、醤油の味はそんなに濃くはないし、あと、味の角も立ってないですね。それと、チャーシューは、バラを巻いたやつと肩ロースの二種類の煮豚が乗っています。煮かたはとろけるようでもなく、硬くもなく、ちょうど中間かな。だけど、食べているうちにこの豚の脂がにじみ出てくるから、ある意味で豚のうまみと牛のうまみが渾然一体となってくる。

<h3>牛骨だしの独特の甘味</h3>

<strong>斎藤</strong>〜最初テーブルに運ばれてきたときは、牛の香りがずいぶんするんだけど、だんだん食べているうちに全体がなじんできますね。

<strong>小哲</strong>〜そうそう、ラーメンって、最初にスープを飲む時、レンゲで表面の脂の浮いたところをすくうか、脂をよけて素の部分をすくうか、または刻みねぎと一緒にすくうかで、スープの味が全然違うんですよね。でも、普通に食べればどれも混ざり合って、ああ、美味しかったってことになる。

<strong>斎藤</strong>〜これ、どんぶりの底のほうになると、牛独特の甘味というのかな、それが残っていて、すごくいいですよ。私・・・、決して煮干しだけが好きなんじゃないので・・・。

<strong>小哲</strong>〜この細めの縮れ麺は、僕の好きなタイプなんですけど、できれば、もう少し硬めのほうが良かったな。あと、メンマはというと、ああ、よく煮てあるからか、独特の臭みが抜けてますね。

<strong>斎藤</strong>〜スープは、牛骨は使ってるんだけど、牛骨を使いましたって感じで、主張しているわけではないんで、いいですね。

<strong>小哲</strong>〜で、どうなんでしょうね。せっかくこういうスープなんだから、チャーシューのかわりに牛肉を使うってのは。だだし、そうすると、ラーメンのお約束ごとから外れちゃうのかな、煮豚でなく、煮牛だったら。ただ、本家の中国では、そういうのいくらでもありますからね。

<strong>斎藤</strong>〜あ、そろそろ店長の手がすいたみたいなので、お話を聞いてみましょう。

<h3>朝鮮の人から教わった牛骨だし</h3>

<img alt="07022103.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/images_blog/07022103.jpg" width="410" height="322" />

<strong>斎藤</strong>〜スープの出汁は牛骨のほかに何を使っているんですか。

<strong>店主</strong>〜そうですね、鶏がら、豚、煮干しがベースで、昆布は入れてません。あと、野菜はほとんど入れていないです、あまり好きじゃないので。米沢牛の太い骨の髄からでる出汁はあまみがあって、食べているうちになじんできます。でも、牛骨を使っているのは米沢でもうちくらいですね。豚、トリとのバランスが大事だと思います。どっかが主張しすぎてもだめだし。

<strong>斎藤</strong>〜牛骨を使おうと思ったのは、やぱり米沢牛があるからということだったんですか？

<strong>店主</strong>〜それもありますけど、最初に使いはじめたはの、先代なんです。

<strong>小哲</strong>〜ということは、この店は何年になるんですか？

<strong>店主</strong>〜60年以上になりますか。

<strong>小哲</strong>〜そうすると、戦前ということになるんですかね？

<strong>店主</strong>〜ええ、戦前からです。最初にラーメンを習ったのが、朝鮮の人なんです。

<strong>斎藤</strong>〜ああ、それで牛骨を使うんだ。

<strong>小哲</strong>〜そうか、そういうことですか。朝鮮ではスープの出汁は牛骨が基本ですからね。だけど、ラーメンなのになぜ朝鮮の人から教わったんですか？

<strong>店主</strong>〜始めに店をやっていたおばあちゃんの旦那さんが朝鮮の人だったんですね。その関係で、朝鮮の人からラーメンを教わった。で、その人に教わった時に、おばあちゃんが、みんなが豚なら、じゃあううちは牛でやろうということで始めたそうです。だから最初は苦労したと思いますよ、くさみがありますから。

<strong>小哲</strong>〜店を継いでからは、もうどのくらいになるんですか？

<strong>店主</strong>〜30年近くなりますか。

<strong>斎藤</strong>〜戦前、米沢は朝鮮人がけっこういたんですか。

<strong>店主</strong>〜鉱山があったから働きにきていたらしいです。おじいちゃんは鉱山で働いていたんですが、おじいちゃんの話だと、当時はずいぶん辛い目にあったという話です。おじいちゃんは、戦前は鉱山で働き、戦後は採石の仕事をやっていたようです。

<h3>体にも懐にも優しい郷土ラーメン</h3>

<strong>斎藤</strong>〜ところで、麺は自家製なんですか？

<strong>店主</strong>〜昔は自家製だったんですけど、今はおっつかなくなって、昔つくっていたような麺を製麺所に注文しています。

<strong>小哲</strong>〜チャーシューは昔から煮豚なんですか。

<strong>店長</strong>〜そうですね、ただ、肩ロースとバラの２種類使うようになったのはごく最近です。それまではバラは使わずに、肩ロースか内ももを使っていたんです。脂の嫌いな店は内ももを使い、ちょっと脂が欲しい店は肩ロースを使っていました。それが米沢では主流でした。

<strong>小哲</strong>〜牛の出汁を使っているから、牛肉を使おうとは思わなかったんですかね？

<strong>店主</strong>〜やったことはありますが、なかなか、うまくいきませんでしたね。

<strong>小哲</strong>〜韓国だと冷麺に牛が入っているじゃないですか。

<strong>店主</strong>〜ただ、牛を使うと高くなってしまうんですよ。うちの店は毎日食べにくる人がいますからね。

<strong>小哲</strong>〜えッ、毎日食べに来る人がいるんですか？

<strong>店主</strong>〜ええ、います。中には夜も来てくれる人もいます。


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<strong>斎藤</strong>〜やっぱり、毎日食べても飽きないというのが地のラーメンのいいとこなんですけど、もう一つ、毎日食べても懐が痛まないというのも、大事なことですよね。(笑)

<strong>小哲</strong>〜そりゃ、そうだ。毎日食べても飽きないくらい体に優しく、しかも懐にも優しい。これこそラーメンの必須条件じゃないですか。・・・・・・ということで、今日は、本当にごちそうさまでした。]]>
      
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   <title>第15回　日本全県ラーメン巡り　その９</title>
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   <published>2007-02-15T00:48:42Z</published>
   <updated>2007-02-15T02:01:27Z</updated>
   
   <summary>酒田での３軒目は、斎藤講師が以前に何回も来たことのあるお気に入りの店「味龍」。一...</summary>
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      <![CDATA[酒田での３軒目は、斎藤講師が以前に何回も来たことのあるお気に入りの店「味龍」。一般的に魚出汁が強い酒田のラーメンの中で、あえて魚出汁をおさえ動物系出汁とのバランスに気を配っているという。さて、その味のほどは・・・・・。例によって、この基調トークを踏まえ、塾生諸君の意見や感想を、ブログや美味しんぼ塾フォーラムで大いに発言してほしい。

<strong>第15回　発言テーマ</strong>
1．キミの好きなご当地ラーメンはどこ？
2．キミから見て、郷土ラーメンと呼ぶにふさわしいとラーメンはどこ？

※　発言テーマは上記に限らず広く考えて結構です。
　　 今回の基調トークとの関連で自由に発言して下さい。

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●店データ
住所: 山形県酒田市錦町1-2-24
TEL: 0234-31-3717 
営業時間 : 11:00〜15:00 
定休日: 水曜日


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<h3>自家製麺が当たり前の土地柄</h3>

<strong>小哲</strong>〜斎藤さん、やっぱりこちらの店も麺は自家製なんですね。酒田では８割以上が自家製麺だってことは聞きましたけど、それにしても、酒田のラーメン屋さんはみんなやる気まんまんだ。レベルも高いしなあ。

<strong>斎藤</strong>〜自家製麺というのが、当たり前なんですよね。かつては、うどんだって、そばだってみんなそうだったんですから、ラーメンだって同じ感覚なんでしょうね。

<strong>小哲</strong>〜ここの麺は中細よりもちょっと太めだけど、よーくかんでいると、小麦の甘味が広がってきてうまいですね。とにかく、ラーメンもうどんも小麦の麺は、そばみたいにクセもないし香りが強くないから、あわてずによーくかんだほうがいいですね。

<strong>斎藤</strong>〜ここの麺は腰もあるし、なめらかですよね。

<strong>小哲</strong>〜そういえば、よく麺がなめらかで喉ごしがいいとかいうでしょ。とくに蕎麦なんかだと、江戸っ子は、ツツーッとすすり込んだら、ほとんどかまずに飲み込んじゃう。それが粋な食べ方だってっいうんだけどね。でも、あれは僕に言わせれば間違いですよ。蕎麦こそよくかまなければ、せっかくの蕎麦の持ち味がわからないからもったいない。ラーメンもいっしょ。

<strong>斎藤</strong>〜ちなみに、ここの麺は、南部小麦を使っていたと思いますよ。それから、つなぎとして輸入の小麦も入れているそうです。カンスイは、こちらも内モンゴルのものですね。

<strong>小哲</strong>〜そうか、小麦粉も国内産を使っているんですね。

<strong>斎藤</strong>〜南部小麦は、国産小麦の中でも甘味があるんですよ。ただ、これだけだと、ブツブツ切れちゃうので、つなぎとして輸入小麦を入れているんですね。

<strong>小哲</strong>〜やっぱり、グルテンが足りないってわけだ。

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<h3>地元のいい食材が味の基本</h3>

<strong>斎藤</strong>〜で、スープのほうですけど、ここは酒田のラーメンにしては魚介系出汁をおさえ動物系の出汁をうまく使っています。どうですか、魚系の出汁とのバランスはいいと思いませんか？

<strong>小哲</strong>〜そうですね。ただ、これまでに食べた店と比べると、魚系も動物系もバランスはとれているんだけど、少し濃いめかな。醤油も濃いめだし。でも、見かけよりも、さっぱりした素直な味に仕上がっています。

<strong>斎藤</strong>〜ちなみに、このスープは、出汁にあごの焼干し、あじ干し、かつお節、それにさんま節も使っているそうです。その他に、貝柱、昆布、とりがら、豚のゲンコツ、あとは香味野菜ですね、ネギやにんじん等々。

<strong>小哲</strong>〜そうか、やっぱり出汁にそれだけ入っているから厚みがあるっていうか密度が高いんだな。でも、もっちりした麺とスープがよく合ってますね。

<strong>斎藤</strong>〜それと、化学調味料とか、そういう刺激的なものは一切入ってないから、最初は物足りなさを感じるかもしないけど、食べてゆくうちに自然なうま味がだんだん口の中に広がってくる。

<strong>小哲</strong>〜だから、さっぱりと感じるんでしょうね。

<strong>斎藤</strong>〜前回、ラーメンの食材自給率の話をしましたが、チャーシューの豚は、これも「三元豚」という 地元産のものなんです。酒田のラーメンは煮干しを使うやり方が基本にあるんですけども、こらちの特徴は、それをベースにしながら、たとえばこの平田牧場の三元豚とか、いろんな地域の食材を使って独自のスープなり麺なりをつくっているところです。平田牧場っていうのは首都圏では店舗を持ってない生協とかに売ったりしていて、育て方がしっかりしているということで注目されてるんですけど、こちらでは有名になる前から平田牧場の豚をチャーシューに使うとか、出汁をとるのにゲンコツを使うとかいうことをやってきたんですね。とにとかく地元のいい食材を使おうという姿勢のお店なので、今回とくにお連れしました。

<strong>小哲</strong>〜なるほど、それにしても、こうしてちゃんと地元で食材が揃っちゃうってうところが素晴らしいですね。じっさい、この豚、肉にあまみがあってうまいですよ。

<strong>斎藤</strong>〜そうでしょ、臭みもないし。

※ここで店主の岡部さんも参加

<img alt="07021504.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/images_blog/07021504.jpg" width="410" height="327" />

<h3>素材の味が生きているようなラーメンが作りたい</h3>

<strong>小哲</strong>〜どうも、ごちそう様でした。こちらは食材にもずいぶん気を使っているということを斎藤さんから聞いたところです。ところで、お店を始めたのはいつ頃ですか。

<strong>岡部</strong>〜昭和63年です。

<strong>小哲</strong>〜昭和63年というともう18年前になりますけど、その前は何をやっていたんですか？

<strong>岡部</strong>〜サラリーマンをやってました。

<strong>小哲</strong>〜えっ、そうなんですか。じゃあ、店を始めたときはどんなラーメンを目指したんですか。

<strong>岡部</strong>〜最初は、麺がうまい、スープがうまい、だけじゃだめなんじゃないかと思ったんです。酒田のラーメンていうのはすごい煮干しが効いてるんですよ。食べると、麺の味もわからなくなっちゃうぐらい魚の味が効いてるんですよ。

<strong>小哲</strong>〜えっ、そんなに効いてますか。

<strong>岡部</strong>〜ええ、いわゆる酒田のはそうです。それで、これじゃだめだなと思って、何を食べても素材の味が生きてるようなラーメンをつくりたいなと思って、最初からこういうスタイルで出しているんです。

<strong>小哲</strong>〜岡部さん、出身は酒田ですよね。酒田の人間にとっても煮干しの味が強すぎる、と。

<strong>岡部</strong>〜私もラーメン好きですごい食べるんですけど、私としては。食べたときにあんまり煮干しの味が強くて、麺を食べても煮干しの味がワァーッと口に広がってわからなくなるんですね、ほかの味が。何を食べても素材の味、ねぎはねぎ、メンマはメンマでおいしいなって感じるようなラーメンがいいかなと思って。普通はカタクチイワシの煮干しを使ってるんですよね。で、店を始める前にいろいろやってみたんですけど、アジ干しが一番クセがないというか、魚の味が出て来ないんですよ。それでアジ干し一本に絞ってずっとやってたんですけども、ここは飛島のいい焼き干しがあるので、それも使うようになりました。

<strong>斎藤</strong>〜酒田の沖に飛島っていう島があって、そこのトビウオ、アゴの焼き干しが名産なんです。

<strong>岡部</strong>〜で、そのアゴの焼き干しも使ってやってるうちに、あるときサンマ干しがいいってことを耳にして、じゃあ、使ってみようかということで、それも入れたりして、最終的には、さらに青森のホタテの貝柱も入れるようになりました。

<img alt="07021503.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/images_blog/07021503.jpg" width="410" height="357" />

<strong>小哲</strong>〜そうすると、いわゆる酒田のラーメンの煮干のにおいをどう抑えてゆくかが出発点で、魚の臭みを消して、まろやかな旨味をいかに出すために岡部さん流に修正を加え、いまの形にたどり着いたというわけですね。

<h3>「ご当地ラーメン」とは違う「郷土ラーメン」</h3>

<strong>斎藤</strong>〜そんなことで、酒田には、こちらのように地元の食材を活かして割と新しいラーメンをつくろうとする店もあれ、もともとの酒田のラーメンていうのはこうなんだよということで、それを守ろうとするラーメン屋もあります。そして、地元の人たちも何種類もある酒田のラーメン屋の味の中から、このお店、このお店と選んで行く。で、昔ながらのラーメン屋が１店だけポツンと残っているというんじゃなくて、何十店もあるんですね。

<strong>小哲</strong>〜こないだの話だと、そうやって酒田には40何軒ものラーメンがあって、しかも、この地域なりのしっかりしたラーメンをつくっているというわけだ。そういう意味では、「酒田ラーメン」というご当地ラーメンというか、郷土ラーメンが確立されているんですね。

<strong>斎藤</strong>〜酒田ではご当地ラーメンなんていう言い方はしてないんですけども、自分たちのラーメンというのは、ほかの地域と比べて独自であるというふうにみんな思っていて、しかも、酒田に来たら、酒田のラーメンを食べてくださいって、「酒田のラーメンを考える会」というのもあって、パンフレットも作っているわけです。これをいわゆるご当地ラーメンと呼ぶのは、僕は正しくない気がするわけですよ。

<strong>小哲</strong>〜そうですね。郷土料理と同じように、郷土ラーメンと呼ぶのがふさわしいと思いますね。一般的にご当地ラーメンと呼ばれているものの中には、地域起こしやマスコミの力でポピュラーになったものもあるけれど、その意味では酒田ラーメンは全国的にはまだあまり知られていない。だけど、酒田ラーメンの背景にある歴史とか、実際に地元の素材を使っているということで、これはもう立派な郷土料理であり、「郷土ラーメン」と言えますね。

<strong>斎藤</strong>〜さっきの食材自給率の話をすると、たとえば、ご当地ラーメンとしていまや全国的に有名な喜多方ラーメンであっても、食材自給率はかなり低いわけです。ですから、酒田のラーメンはいわゆるご当地ラーメンとは区別する意味で、まさに地ラーメンとか、郷土ラーメンという呼ぶのがふさわしいと思います。

<strong>小哲</strong>〜こうやって、ラーメン巡りをしていると、ほんとうに郷土料理と同じように、その土地の歴史や文化とむすびついた郷土ラーメンというものが出来上がっているってことが、実感としてよく分かりました。

<strong>斎藤</strong>〜あらあら、小哲さん、まだ話をまとめないで下さいよ。次の店があるんですから・・・・・

<strong>小哲</strong>〜はいはい。それじゃあ、どーも、ごちそうさまでした。]]>
      
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   <title>第14回　日本全県ラーメン巡り　その８</title>
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   <published>2007-02-07T23:13:21Z</published>
   <updated>2007-02-09T04:30:20Z</updated>
   
   <summary>酒田で次にやってきた店は、かつて中国人コックが伝えた太い竹棒ならぬ鉄パイプで麺を...</summary>
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      <![CDATA[酒田で次にやってきた店は、かつて中国人コックが伝えた太い竹棒ならぬ鉄パイプで麺を打っているという。酒田では珍しくないというが、それはまさに、かつて「美味しんぼ」で究極のラーメンを作ったときに用いた製麺法ではないか。酒田ラーメンの質の高さにいよいよ期待が高まるのであった。例によって、この基調トークを踏まえ、塾生諸君の意見や感想を、ブログや美味しんぼ塾フォーラムで大いに発言してほしい。

<strong>第14回　発言テーマ</strong>
1．ラーメンの具はたっぷりがいいか、シンプルがいいか。
2．キミがいままでに美味しいと思った麺

※　発言テーマは上記に限らず広く考えて結構です。
　　 今回の基調トークとの関連で自由に発言して下さい。

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●店データ
山形県酒田市「三日月軒」
住所: 酒田市東中の口町8-1
TEL: 0234-22-7616
創業年 : 昭和42年
営業時間 : AM11:00〜PM7:30
定休日: 不定休


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<h3>酒田には棹麺（カンミェン）の伝統がある</h3>

<strong>小哲</strong>〜酒田は初めてなんですけど、まさか棹麺（カンミェン）を使ったラーメン屋が何軒もあるとは考えてもいなかったですね。もう今から20年ちかく前になりますけど、雁屋塾長がはじめて「究極のラーメン」を作った時の麺が、太い竹棹で打った棹麺（カンミェン）だったんですよ。その時たまたま中国から棹麺（カンミェン）作りの名人が横浜に来ていたので、その人にやってもらったんだけど、当時、横浜でも棹麺（カンミェン）式の麺を使っているところは珍しかったくらいですから。それが、酒田では昔からずっと店ごとにそうやって作っていたというわけでしょ。これは、僕はびっくりですね。

<strong>斎藤</strong>〜酒田にはここと同じ「三日月軒」という店が何軒かあるんですけど、同じように酒田のラーメンを代表するスタンダードなところで、「大来軒」というお店も何軒かあって、そこも棹麺（カンミェン）というやり方をしていますね。なかでも三日月軒はアゴの焼き干しを使うという特徴があるので、棹麺（カンミェン）というつくり方と、アゴの焼き干しを使うというのでこの店にやってきました。

<img alt="07020802.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/07020802.jpg" width="410" height="394" />

<strong>小哲</strong>〜さて、注文したラーメンが出てきたんですけど、具はチャーシューに、メンマと刻みねぎ、それだけで、いたってシンプルです。で、さっそくスープを飲んでみると・・・・・・・魚出汁の味がかなりします。ただし、そんなに飛びでてはいない、とても穏やかな感じがするのは、動物系の出汁とうまくバランスがとれているからですね。

<strong>斎藤</strong>〜使っている豚は庄内豚だそうです。

<strong>小哲</strong>〜山形県の地元の豚ですね。

<strong>斎藤</strong>〜出汁に使っているアゴの焼き干しも、酒田の沖にある飛島という小さな島でつくったものですね。

<strong>小哲</strong>〜ということは、出汁も麺もみんな地元産ってことがゃないですか。

<strong>斎藤</strong>〜小麦粉がどこのものかはまだ聞いてないんでわかりませんがね。

<strong>小哲</strong>〜で、この麺なんですけど、中細の縮れ麺で臭みはまったくない。ああ、よくかんでいると口の中に小麦の甘味が広がってきて、美味しいなぁ。斎藤さん、じつはこれは僕の好きなタイプなんですよ。魚出汁がもっと強いかと思ったけど、思ったほど出しゃばってないし、醤油も強すぎず、スープの加減がちょうどいい。斉藤さんとしては、もっと魚出汁がきいているほうがいいんじゃないのかな。（笑）

<strong>斎藤</strong>〜いやいや、これはこれで美味しいですよ。

<strong>小哲</strong>〜でも、やっぱりこの麺がいいですね。ただチャーシューが肩ロースなんだけどけっこう固いな。口の中でもそもそしてきた。これも昔風ですね。

<strong>斎藤</strong>〜あ、今、ちょうどお客さんがいないから、ご主人の話を聞いてみましょう。

<h3>酒田では竹から鉄パイプに棹麺（カンミェン）が進化していた</h3>

<strong>小哲</strong>〜こちらでは麺に棹麺（カンミェン）を使っているって聞いたんだすが、昔からなんですか？

<strong>佐藤</strong>(店主)〜うちは私で2代目ですが、ずっと変わらず棹麺（カンミェン）でやってます。

<strong>小哲</strong>〜棹麺（カンミェン）って普通は太い竹棹なんですが、こちらは竹棹ではなく鉄の棒なんですね。

<strong>佐藤</strong>〜元々は竹だったんですけど、竹だと軽すぎてつぶれないんですよ。

<strong>小哲</strong>〜竹だとぴょんぴょん跳びながら打ってますよね。

<strong>佐藤</strong>〜これは鉄パイプなんですが、梃子の原理で後ろからみるとしなってますよ。これでいいんです。栃木の佐野あたりはまだ竹でやってるところもあるっていう話は聞きますけど。竹の場合は軽すぎて落ち着かない。それと、酒田ラーメンの特徴は多加水の熟成麺なんです。ちなみに我々のケツで打つやり方でいくと、いまの時期だと47〜48％ぐらい入るかな。

<img alt="07020803.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/07020803.jpg" width="410" height="363" />

<strong>小哲</strong>〜エッ、そんなに。ちなみに、多加水じゃない普通の麺は何％ぐらいなんですか。

<strong>佐藤</strong>〜30％を切るでしょう。

<strong>小哲</strong>〜そんなに入るんだ。

<strong>佐藤</strong>〜普通の製麺の場合、ミキサーからすぐ圧延しますので、多少硬くてもなんぼでも延してくれるんですよ。うちらの場合には、延びないんですよ、鉄棒で何度やっても。それが一つ。それと、生そばなんかでもそうですけど、多加水の方がはるかにおいしい。だた、これの欠点は、日持ちがしない。それと伸びやすいんです。ですから、出前には不向きです、はっきり言って。伸びないようにつくることも可能なんです。ただ、麺としてのうまさは残念ながら損われるかな。昔は出前主体だったんです。どこの地域もそうだと思うんだけど、いまはほとんどが店に来るお客さんが圧倒的に多くなっていますので、うまさを重視したようなつくり方をしています。

<strong>小哲</strong>〜なるほど、昔は出前でも伸びないようにもう少し加水率を低くして。

<strong>佐藤</strong>〜ええ、加水を少なくして、グルテンをがっちりきかせて。

<img alt="07020804.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/07020804.jpg" width="410" height="338" />

<h3>自家製麺なら安くて美味しい麺が作れる</h3>

<strong>小哲</strong>〜小麦粉はどこのものですか、これは。

<strong>佐藤</strong>〜小麦粉そのものは国産と普通の純強力粉を混ぜて使ってます。　

<strong>小哲</strong>〜この色は鹹水でこの色になってるんですか。

<strong>佐藤</strong>〜そうです。鹹水はいまものすごい少なくなってますね。

<strong>小哲</strong>〜あんまり鹹水のにおいがしないですね。昔のはすごく臭かったじゃないですか。

<strong>佐藤</strong>〜そう。鹹水の質も悪かったしね。ちなみにこれはモンゴル鹹水なので、においはだいぶとれてますよね。

<strong>小哲</strong>〜においは少ない。全然気にならない。それと、熟成っていうのはどれぐらいの期間やるんですか。

<strong>佐藤</strong>〜最低３日。

<strong>小哲</strong>〜これで何日目ですか。

<strong>佐藤</strong>〜何日目だろう、１週間ぐらいなったのかな。

<strong>斎藤</strong>〜そんなにやったら色が黒くなりません？もっと黒くなると……、

<strong>佐藤</strong>〜いやいや、それは悪い小麦粉を使ってるからですよ。酒田のラーメンは、自家製麺比率がすごく高いんですよ。で、その理由として、一つは原価的なものもあるし、あともう一つは、スープに合った麺をつくれる。で、原価という面でいくと、いい粉を使えるんですね。ですから、１週間経ってもこの程度で済むんです。製麺屋さんは10グラム20グラム変わっただけで10円、20円変わっていくんです、買った場合に。実際の原価は数円なんですけどね。１袋当たり高い粉を使っても１個当たりにするとこれもまた数円で済む。そういうふうにしていってるもんで。

<strong>小哲</strong>〜手間はかかるけど、そのぶん満足のいくものが作れると。

<strong>佐藤</strong>〜手間は、毎日やってればこんなもんだと思えば。

<strong>小哲</strong>〜いやぁ、職人のカガミですね。客としては本当にありがたい。ところで、出汁なんですが、酒田はアゴ出汁が主なんですか。

<h3>アゴ出汁は昔は貧乏人は使えなかった</h3>

<strong>斎藤</strong>〜いや、煮干しが基本です。その中にアゴ、トビウオの焼き干しを使っているお店もたくさんある。全部がトビウオの焼き干しを使っているわけではない。昆布、煮干しなんです、基本的には。

<strong>小哲</strong>〜こちらは、煮干しとアゴ、それとも全部アゴですか？

<strong>佐藤</strong>〜全部アゴではないです。全部アゴでは出汁はとれないです。さっぱりし過ぎて、旨味もそれほど出ない。むしろ、和食のお店で昆布とカツオで純粋にきれいな出汁をとる手法があるでしょう。酒田も昔の良家ではお祭りとか催事があるときは、昆布とアゴ、トビウオだけで出汁をとったんです。

<strong>小哲</strong>〜それは煮物とかの出汁？

<strong>佐藤</strong>〜煮物しかり、そうめんしかり。いろんなものにね。そういう流れは昔からあったんです。ただ、いかんせん、昔からトビウオ自体が高かった。で、我々貧乏人は使えなかったんですよ、いくらおいしくても。それで煮干しの方に行ったんです。でも、いままたあらためてトビウオが見直されて。それと、トビウオの使い方そのものがわかってきたんですね。要するに、大量に使うもんじゃないです、あれは。48センチの寸胴に入れるのはせいぜい２尾ぐらい。

<strong>小哲</strong>〜えっ、そんなものなんですか。

<strong>佐藤</strong>〜そんなもんなんです。

<strong>小哲</strong>〜そうすると、どのぐらいの違いが出るもんですか、２尾入れたことによって。

<strong>佐藤</strong>〜味が丸くなります。

<h3>味には作り手の性格も出る</h3>

<strong>斎藤</strong>〜こちらのスープは一般的な酒田のお店に比べて、煮干しとか魚よりも少し動物系の方が強く出てますよね。これはどうしてそういうふうになったんですか？

<strong>佐藤</strong>〜どうしてっていうか、自分の好みの味を突き詰めていったらそういうふうになってきたんですね。動物系のだしは前日から煮るんですよ、仕事終わって。

<strong>小哲</strong>〜何を使ってるんですか。

<strong>佐藤</strong>〜動物系は一般的に普通の、ゲンコツ、あとは比内地鶏と普通の地鶏と、それから、豚のバラ軟骨、背脂はもちろん次の日なので、あとはモミジ。

<strong>小哲</strong>〜モミジも。

<strong>佐藤</strong>〜モミジも入れてます。モミジはかなり洗わないとね。これもまたクセが出やすくてね。

<strong>斎藤</strong>〜あと、昆布とか香味野菜、タマネギ、ショウガ、ニンジン？

<strong>佐藤</strong>〜もちろん入れます。

<strong>小哲</strong>〜それだけ入っていても味がうまくまとまってますね。

<strong>佐藤</strong>〜そうですね。それは結構時間がかかりましたね、ここまでなるには。

<strong>小哲</strong>〜僕はすごくおいしいと思いました。

<strong>佐藤</strong>〜ありがとうございます。

<strong>小哲</strong>〜魚出汁が飛び出てないし、動物系もそんなに飛び出してなくて、まとまっている。

<strong>佐藤</strong>〜俺自身が飛び出すのが嫌いなんです。煮干しくさいのがどうも。煮干しだしは好きなんですよ。好きなんだけど、いかにもって主張するのがどうもね。

<strong>小哲</strong>〜そうですか、やっぱり味には作り手の性格も出るってわけだ。いや、どうもありがとうございました、ごちそう様でした。]]>
      
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   <title>第13回　日本全県ラーメン巡り　その７</title>
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   <published>2007-02-02T04:13:12Z</published>
   <updated>2007-02-07T23:43:01Z</updated>
   
   <summary>ラーメン屋一軒あたりの人口比が日本一という山形県。その中でも酒田のラーメンには北...</summary>
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      <![CDATA[ラーメン屋一軒あたりの人口比が日本一という山形県。その中でも酒田のラーメンには北前船の歴史と、中国人コック直伝の技術が受け継がれている。一杯の酒田ラーメンから、斎藤講師の話は食材自給率にまで及ぶのだった。いつもの様に、この基調トークを踏まえ、塾生諸君の意見や感想を、ブログや美味しんぼフォーラムで大いに発言してほしい。

<strong>第13回　発言テーマ</strong>
1．キミが美味しいと思う麺のタイプは？
2．ラーメンの食材自給率についてどう考える。

※　発言テーマは上記に限らず広く考えて結構です。
　　 今回の基調トークとの関連で自由に発言して下さい。

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●店データ
「満月」
住所：山形県酒田市東中の口2-1
TEL：0234-22-0166
営業時間：11:00〜20:00
定休日：毎月2・12・22日、不定休

<img alt="07020301.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/07020301.jpg" width="210" height="349" />

<h3>酒田はラーメンの町</h3>

<strong>小哲</strong>〜酒田にやってきて驚いたんですけど、この町もラーメン屋が多いんですね。

<strong>斎藤</strong>〜意外だと思われるかもしれないけれど、ラーメン屋一軒あたりの人口比では、なんと山形県が全国一なんですよ。「酒田のラーメンを考える会」なんてのもあって、１４店が参加しています。それ以外の店も含めると、酒田だけで４２軒のラーメン店があるんです。

<strong>小哲</strong>〜その酒田で、最初にやってきたのが、ここ「満月」という店で、ここはラーメン以外にもワンタン麺があって、どうやらこっちのほうも人気があるみたいですね。

<strong>斎藤</strong>〜ここは、じつはワンタン麺が有名で、ご主人自身もワンタン麺に自信を持っていらっしゃいます。

<strong>小哲</strong>〜かなり昔からワンタン麺が人気だったようですが、酒田では他の店でもワンタン麺を置いているんですか？

<strong>斎藤</strong>〜ワンタン麺はいろんなお店にありますけど、でも、酒田の人に「ワンタン麺、どこに食べに行く？」と聞けば「満月」なんですね。

<strong>小哲</strong>〜なるほどね。それにもかかわらず、僕が注文したのは、やっぱりラーメンなんですね。

<strong>斎藤</strong>〜おかわりでわんたん麺を頼めば、いいじゃないですか。

<strong>小哲</strong>〜そうなんですけど、僕は斎藤さんみたいに５杯も10杯も食べられないんですよ。おっと、出てきましたよ、ラーメンが。ふーむ、このラーメンはずいぶん魚の匂いがしますね。

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<h3>酒田といえば煮干しの風味</h3>

<strong>斎藤</strong>〜それじゃあ、先に具材の紹介をしておきましょうか。えーと、ここはチャーシューは煮豚です。それが２枚のっています。それとメンマ。そしてネギ。ネギは長ネギを青い部分を含めて輪切りにしたものがのっています。具はそれだけ。麺は中細麺で、あまり縮れてはいません。

<strong>小哲</strong>〜じゃあさっそくスープからいきます。なるほど、煮干しが強いなあ。それと醤油の味もだしに合わせてなのか、かなり濃い目ですね。でも、こういうの、煮干しが強いか斎藤さん好みなんじゃないですか？

<strong>斎藤</strong>〜いやいや、煮干しだしは好きですけど、特にということではないです。でも、ここは煮干しが強いほうだと思うます。この次に行こうと思っている店があるんですけど、そこはもっと動物系が強いですね。同じ酒田でも、店によって煮干し系と動物系のバランスが微妙に違っているんです。

<strong>小哲</strong>〜いずれにせよ、酒田の人たちはごくあたりまえにラーメンというとこの煮干し系のラーメンだと思っているわけだ。ラーメンといっても、その土地によっていろいろなんですね。これ、横浜の家系とか東京の二郎ファンが食べたらなんて言うんだろう。

<strong>斎藤</strong>〜そうですね、感想を聞いてみたいですね。

<strong>小哲</strong>〜まったく対照的にシンプルですよね。で、もう一口スープをすすってみると、ああ、やっぱりかなり煮干しだしが濃いです。で、麺はというと、これも結構しっかりしています。かなりもちもちした感じですね。チャーシューは肩ロースなんだけど周りに脂がついている。だけど、煮込み方がかなり硬いな。このへんはみんなこうなんですかね。

<strong>斎藤</strong>〜いや、お店によりますが。ただ、バラ肉を巻いてとろとろにしたようなタイプのチャーシューはありませんね。

<strong>小哲</strong>〜最近、東京ではそういうのが多いけど、それって20年くらい前かから始まったんじゃなかったかな、僕の記憶だと。その前は、これと同じように肩ロースだった。

<strong>斎藤</strong>〜東北では昔からの店はそれはやってないですね。

<strong>小哲</strong>〜だから、これは伝統的なチャーシューなんだろうけど、煮方が浅いというか、まだ硬いですね。そういえば、これまで食べてきた店のチャーシューって、どこも、さっぱりというか、脂が少なく硬めのが多いですね。だから、チューシューを食べてるうちに、おつゆを追加して飲まないと口の中でモソモソしてきちゃう感じだな。

<h3>北前船と中国人コック</h3>

<strong>小哲</strong>〜ところで、酒田でラーメンを食べるのは、僕は初めてなんだけど、歴史は古いんですか。

<strong>斎藤</strong>〜酒田は北前船の港だったという関係で、明治以降、港町だったので移住してきた中国人がいました。その中国人の中で昭和の初期に中華料理店を開いた人がいるんですね。

<strong>小哲</strong>〜じゃあ、かなり昔からあったわけだ。北前船との関係は、もともと港をして栄えていた。そして、北前船の時代が終わったあとも港町として栄えていたとしても、中国人が来たというのは海からじゃなくて、やっぱり東京から来たんでしょうね。

<strong>斎藤</strong>〜関東大震災のあとに東京や横浜から移住してきた人が多いというふうに聞いています、その中の一人が昭和の初期に中華料理店を開いたらしいんですよ。で、そこに勤めていた女性の方が、その後、中国人が引き揚げていなくなったあとも、中華料理店を引き継いでやった。その中国人がもともとカンミョンという、これは太い竹の棒で打つ麺なんですけど、そのやり方で中華料理の麺料理を出していたらしいんです。その女性がそれを習い覚えていたので、カンミョンというやり方で麺をつくる酒田風のラーメンが生まれたらしいんですね。その後、暖簾分けしたり、それをまねしたり、ということでどんどんカンミョンというやり方の麺づくりが広がっていきました。

<strong>小哲</strong>〜カンミョンで麺を打つのは、横浜中華街の「徳記」がそうだったけど、それが酒田という町のラーメン屋で普通に行われていたとは、驚きですよね。東京じゃほとんど見かけませんから。

<h3>自家製麺があたりまえの酒田ラーメン</h3>

<strong>斎藤</strong>〜いまはカンミョン自体はやっていないお店も多いんですけれども、もともと、自分のところで麺を作るもんだということを酒田のラーメン屋さんは普通に思っているから、ほとんどの店が自家製麺です。製麺会社があって、そこから麺を持ってくるというのではなくて、機械は使っていたりしても、ほとんどのお店が自家製ですね。

<strong>小哲</strong>〜ほとんどって、どのくらいなんですかね。

<strong>斎藤</strong>〜８割以上ですね。

<strong>小哲</strong>〜エッ、８割以上！？そりゃスゴイなあ。この10年くらい、東京では意欲的な創作系ラーメン屋さんが、試行錯誤の末に、結局、自家製麺にたどりついてるんですよね。東京だって、その昔は自分の店で麺を打っていたのが、ある時代になって製麺屋さんができてからは、麺を外注するのが一般的にはなった。それにもかかわらず、この地域では、自家製麺というやり方をずっと守ってきたわけだ。そうすると、最近の店みたいに「うちは自家製麺です」って威張ってるのも妙な感じですよね。

<strong>斎藤</strong>〜そうですね、この地域では自家製麺であるのが当たり前ですから。どの店も、うちは国産小麦粉しか使わないんだよとか、国産小麦粉の中でもこれこれを使ってる、というところが他店との差別化で、自家製麺は当たり前なんです。

<strong>小哲</strong>〜東京にいると、意外とそういうのは知られてないんですよ。

<strong>斎藤</strong>〜それと、醤油。これも北前船の港町っていうのは、味噌屋さん、醤油屋さん、豆腐屋さん、大豆関係の加工業者が多いんですよ。なぜかというと、もともと背後に大豆の産地を持っているということもあったり、よその大豆産地から積み荷として大豆を積んで来たりしたわけです。そうすると、北前船の船頭が積み荷の１割は寄港した港町で売って、船の中で働いている水夫たちの生活費にあてていたんですね。で、積んできた大豆を売ったりした。だから、北前船の港町は、金沢も、富山もそうですけど、酒田でも、大豆屋さんとか、醤油屋さん、味噌屋さん、豆腐屋さんといった大豆関係の加工業者が非常に多いんです。酒田のラーメンは、酒田に醤油屋さんがたくさんあって、ラーメン屋さんも醤油だけは地元の醤油を使う。これもほとんど当たり前のことなんです。

<h3>ラーメンの食材自給率も日本一</h3>

<strong>小哲</strong>〜そういえば、この店の満月という看板の下に、マルジュウ醤油って書いてありましたね。あれが地元の醤油屋さんですか？

<strong>斎藤</strong>〜ええ、地元の醤油屋さんです。それから、豚も地元にいい豚があるので、それぞれ好みがあるでしょうから、例えば、庄内豚とか、別のお店で三元豚を使うとか。

<strong>小哲</strong>〜三元豚っていうのはどこのですか。

<strong>斎藤</strong>〜山形県の平田牧場で生産しています。

<strong>小哲</strong>〜県内産ですか。

<strong>斎藤</strong>〜ええ、山形にはとてもいい牧場がたくさんありますので、皆さんそれぞれ選んで地元の豚でチャーシューをつくっています。

<strong>小哲</strong>〜その他に地元産というのは？

<strong>斎藤</strong>〜ラーメンの中で食材自給率はどうなっているのかということを計算するとすごく高くいんです。例えば、ほかでは、醤油は大豆がほとんど輸入大豆でしょう。それから、麺もほとんどが外麦でしょう。そして、チャーシューの肉だって、もうみんな輸入物だったりすることが多いので、ラーメン一杯の自給率というのは、平均すると７％ぐらいなんだそうです。ところが、酒田のラーメンは、麺に使う小麦粉は国産のところが多い。醤油は地元の大豆を使っているし、豚も山形県産のものを使っていることが多い。ということを考えると、ラーメン一杯の中の自給率というのは、全国平均の７％に比べると、山形は非常に高いですよ。

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<strong>小哲</strong>〜いまの話だと相当高そうだ？　輸入ものは小麦粉くらいのもんでしょ？

<strong>斎藤</strong>〜いや、店によっては輸入小麦粉はほとんど使わないところもあるわけですから。

<strong>小哲</strong>〜すると、１００％自給ですか。

<strong>斎藤</strong>〜かなり高い、１００％に近いお店があります。そういうことを考えると、酒田のラーメンというのは、ほんとに酒田の地域の食べものなんです。

<strong>小哲</strong>〜そうですね。

<strong>斎藤</strong>〜いわゆるご当地ラーメンの中には、なんとかラーメンという名前はついているけれども、その中に入っているものはほとんど地元産のものはなかったりということが多いでしょ。それに比べると、酒田のラーメンというのは、アゴの焼き干しを使うとか、そういう象徴的なものもあるし、ほかの食材についても地元のものを使うことが多いというわけで、これこそまさに地のラーメンといっていいと思います。

<strong>小哲</strong>〜いま食材自給率という話が出たけれど、国内での自給率じゃなくて、県内での自給率ということですね。それはたいしたもんだなあ。そういう意味では、いわゆる「ご当地ラーメン」ではなくなくて、本当に「郷土ラーメン」だって言えますね。ラーメン屋密度日本一の県は、素材の自給率も日本一だったってわけだ。こりゃ、エライことだな・・・・・・・]]>
      
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   <title>第12回　日本全県ラーメン巡り　その６</title>
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   <published>2007-01-19T14:34:45Z</published>
   <updated>2007-01-24T03:08:31Z</updated>
   
   <summary>まだまだ食べ足りない青森のラーメンに名残を惜しみつつもやってきた秋田県。まず最初...</summary>
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         <category term="東北編" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
   
   
   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/">
      <![CDATA[まだまだ食べ足りない青森のラーメンに名残を惜しみつつもやってきた秋田県。まず最初に訪ねた十文字町で、小哲塾頭と斎藤講師はあらためて郷土ラーメンの素晴らしさを再認識するのであった。いつもの様に、この基調トークを踏まえ、塾生諸君の意見や感想を、ブログや美味しんぼフォーラムで大いに発言してほしい。

<strong>第12回　発言テーマ</strong>
1．キミが毎日でも食べたいラーメンとは。
2．キミにとっての故郷のラーメン、心に残るラーメン。
3．醤油は濃いほうがいいか、薄いほうがいいか。

※　発言テーマは上記に限らず広く考えて結構です。
　　 今回の基調トークとの関連で自由に発言して下さい。

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●店データ
「丸竹食堂」　
住所：秋田県横手市十文字本町　7-1
電話：0182−42−1056
営業：11:00〜19:30
定休：木曜日

<img alt="07012002.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/07012002.jpg" width="410" height="303" />

<strong>小哲</strong>〜さて、なかなか青森県を離れたがらない斎藤さんを無理やり引っぱって、ついに県境を越えて秋田県にやってきましたが、あいにくの雨模様です。でも、斎藤さん、青森と違ってなんとなく山々の色がのどかで秋田っぽくなってきたと思いませんか？これって気のせいかな。

<strong>斎藤</strong>〜はい、もちろん気のせいだと思います。

<strong>小哲</strong>〜。そうか、やっぱり、気のせいなんだな。でも、晩秋の紅葉がきれいですね。それじゃあ、これから行く店について、簡単に説明してくれますか?

<img alt="07012001.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/07012001.jpg" width="410" height="302" />

<strong>斎藤</strong>〜これから行くのは、横手地方の中の十文字という町にある「丸竹食堂」です。特徴は醤油ラーメンなんだけど、醤油の色が薄いんですね。で、かなりすっきりしたラーメンなんですが、これは丸竹食堂だけでなくこの近辺にあるいくつかのラーメン屋のどれもが同じような傾向で、これが十文字のラーメンの特徴といえます。で、じつは横手とか大曲とか角館とか、もうすこし南のほうへゆくと、このへんはもう隣町ごとに、それぞれいろんな特徴のある地域なんです。ほんとうはぐるっと回りたいところなんですが、秋田の中でももっとも特徴のあるのが十文字ラーメンなので、どこか一つということで「丸竹食堂」を選びました。

<h3>東北一帯に広がる煮干し文化</h3>

<strong>小哲</strong>〜なるほど、十文字ラーメンね。なんか響きがいいですね、十文字っていうのは。で、ダシに関してはどんな特徴があるんですか?

<strong>斎藤</strong>〜だしでいうと、いままでのところとほとんど変わりません。

<strong>小哲</strong>〜ということは、煮干し、とりがら、が主体ですか。県が変わったから即食文化も変わるってもんじゃない。

<strong>斎藤</strong>〜そりゃ、そうです。県という行政区分とは別の、歴史的な文化圏がありますから。

<strong>小哲</strong>〜ようするに、青森県が、いまだに南部藩と津軽藩という全く異なる二つの文化圏に分かれているように、県という明治以降の行政区分よりも、それ以前の江戸時代からの藩ごとの文化伝統のほうがしっかりと生き続けてるってわけだ。

<strong>斎藤</strong>〜私は、青森県でも津軽人であって、やはり方言も気質も南部の人とは違うわけですからね。

<strong>小哲</strong>〜そのへんもね、僕みたいな東京で育った人間にはわかりにくいことなんですよ。でも、たかがラーメンなのに、日本という国の地方文化の奥深さが見えてきておもしろい。しかし、いずれにせよ、東北のかなり広い地域で煮干しが使われているといことですね。

<strong>斎藤</strong>〜ええ、青森から、秋田、山形へ行くわけですけど、ずーとこういう傾向なんです。これは断言しますが、決して私がですね、煮干しのラーメンが好きだから、そういう店を選んでいるということではないんです(笑) 。

<strong>小哲</strong>〜なるほど、なるほど、了解しました。ところで、ふと思ったんですけど、青森もそうだけど、こっちのほうもラーメン屋なのに「○○食堂」というのが多いですよね。おそば屋でラーメンを出していた場合と、「○○食堂」というようにかつ丼とかカレーライスとと一緒にラーメンも出しているのと、二つのタイフがあって、ま、それが昔の形だったんだとは思うんです。関東の場合だと、昔は中華料理屋でラーメンを出すというのが多かったですね。

<strong>斎藤</strong>〜石巻なんかは、中華料理店のラーメンが、煮干しを使った地域のものになっていますよ。

<strong>小哲</strong>〜エッ、ということは普通の中華のスープとは別に、煮干しを使ったラーメン用のものも作ってあるわけだ。それは、珍しいですね。そうそう、これも車で走っていて気がついたんだけど、このへんは中華料理屋さんをぜんぜん見かけませんね。関東だったらどんな町にもレバニラ炒めとか肉野菜炒め程度の料理を出す小さな中華料理があって、そこにラーメンがおいてある。

<strong>斎藤</strong>〜東北でも、大きな町にゆくと、あるにはあるんですけどね。

<strong>小哲</strong>〜そういえば喜多方でも食堂という名前のついたラーメン屋が多かったですね。おっと、斎藤さんここが「丸竹食堂」ですか。ラーメン屋にしてはずいぶん立派な店構えだけど、やっぱり「食堂」って書いてありますね。

<strong>斎藤</strong>〜そう、食堂なんですけどね、でも、のれんの横に中華そば専門店て書いてありますよ。

<strong>小哲</strong>〜へえ、ラーメン屋にしてはずいぶん立派ですよね。それと、玄関前はきれいに掃除がされ水も打たれている。そして、灯籠や植木で飾られている。なんだかラーメン屋とは思えないくらいきれいだ。そうか、いま気がついたけど、「中華そば屋」よりも「食堂」のほうが、飲食店としては格が上なんですね。

<h3>この地ではラーメンではなく中華そばと呼ぶ</h3>

<strong>斎藤</strong>〜壁の品書きを見てください。いろいろ並んでるけど、チャーシューメン以外は、全部「中華」となってますね。

<img alt="07012003.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/07012003.jpg" width="410" height="309" />

<strong>小哲</strong>〜なるほど、ここはラーメンじゃなく、いまだに昔風の「中華」なんですね。

<strong>斎藤</strong>〜冷やがけ中華というのがあるでしょ。ここは中華そばも特徴がありますけど、あの冷やがけ中華というのがまた独特で、いわゆる冷し中華ではなく、汁が冷たいんです。

<strong>小哲</strong>〜でも、やっぱり最初だから、僕は、基本の中華そばを注文しましたよ。

<strong>斎藤</strong>〜はい、その中華そばが来ました。

<img alt="07012004.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/07012004.jpg" width="410" height="359" />

<strong>小哲</strong>〜わぁ、ほんとうにスープの色が薄いですね。一見、塩ラーメンのようだけとけ、そうでもない。ちゃんと醤油の匂いがする。で、具は煮豚のチャーシューに、オオッ、やっぱり麸が入っている。そして、メンマと、刻みねぎ、のり、さらに、かまぼこが入っている。ウーム、関東だとなると巻きのところが、かまぼこと来ましたか。そこで、スープをすすってみると・・・・・・・・、いやあ、煮干しだしと鶏ガラなんだろうか、スープの味はとてもきれいにまとまっていますね。煮干しがでしゃばっていないし、かといって脂で味をまとめているわけでもない。かすかに浮いているのは、チャーシューの脂だけで、だから、脂にごまかされず、それぞれの味が素顔のまんま生きている。いやあ、うまいなあ。この細めで少し縮れた麺がね、個人的にいって、僕の一番好きなタイプなんです。カンスイの匂いもないし、じつに、うまいなあ。

<h3>北前船が運んできた薄口醤油文化</h3>

<strong>斎藤</strong>〜いいでしょ。この麺とスープが十文字の特徴なんです。だしは、煮干し、焼干し、それとかつお節も使っているそうです。それに、鶏ガラと昆布。それと、醤油が薄口醤油を使っているんですね。だから、関西の煮物のように汁の色が薄い。

<strong>小哲</strong>〜エッ、秋田でも薄口醤油を使うんですか？

<strong>斎藤</strong>〜地元で作っているんですよ。ここは雄物川を使って物資が往き来している場所だったので、そういう点で、当然薄口醤油が関西から伝わってきたんだと思います。。
　
<strong>小哲</strong>〜そうか、秋田県というとしょっつるが有名だけど、ちゃんと薄口醤油文化もあったんですかねえ。関西ならどこの家でも必ず薄口と濃口があるんだけども。
　
<strong>斎藤</strong>〜東北でも、このあたりは北前船による交易関係があったので、そういうのがあります。

<strong>小哲</strong>〜そうか、じゃあ北前船で京都とか関西の文化が来たってことですね。それがある地域では根付かなかったけども、ある地域の人たちには気に入られて定着し、その後ラーメンにもそれが使われた、と。それから、醤油もいいけど、この麺もいいですね。このへんの製麺所がいいのかな。煮豚もこんなにさっぱりしていいいのかなって感じ。

<strong>斎藤</strong>〜麺はここの自家製ですね。主人のおばあちゃんの話だと、昔は手で打っていたんだけど、いまは機械で自分のところで打っているそうです。この店を始めたのが昭和28年で、その前におばあちゃんは戦前からあった「まるたま」という駅前の店で働いていて、麺も味付けもそのラーメンが基本になっているとのことです。

<strong>小哲</strong>〜戦前からといえば、じゃあこれおばあちゃんが子供の頃から食べていたラーメンということなんですね。なんだか、歴史を感じますねぇ。そうそう、話がそれるけど、さっき店の前がとてもきれいに掃除されているっていったでしょ。そうしたら、店の中もね、隅々まで掃除が行き届いているんですよ。

<strong>斎藤</strong>〜お手洗いもとても清潔でしたよ。

<strong>小哲</strong>〜で、厨房を覗いてみたら、ここもやっぱりきれいに整頓されている。僕はね、こういうすべてのことが味に出ていると思うんだな。普通のレストランでも、ほんとうに美味しくて三つ星クラスの店は、キッチンがもうピカピカで片づいている。

<strong>斎藤</strong>〜そうですね、やっぱり料理人の姿勢というものは、作る料理にでてしまうもんですよね。

<h3>地域の人たちが慣れ親しんできた味だから、インパクトなんかいらない</h3>

<strong>小哲</strong>〜そう、だからラーメンの味も、特別なギミックを加えるでもなく、素直できれいな味になっている。最近は、脂を入れたり、だしを何種類も重ねたインパクトの強いラーメンというのが流行っているみたいなんだけど、ここのラーメンはその正反対なんですよね。

<strong>斎藤</strong>〜これこそ、その地域でずっと食べられてきた地のラーメンというのか、郷土のラーメンなんだと思います。ですから、刺激を強くして、それでお客さんを呼んで来る必要は全くなくて、ほんとにその地域の人たちが慣れ親しんできた味。毎日食べに来たりするわけですから、インパクトなんか全然要らないわけですよ。だから、どれもみんなものすごくやさしいです。

<strong>小哲</strong>〜そうですね。最近は、新しく店を始めた、客を集めなければいけない、話題性がなければいけない、それでインパクトが大事だというような発想が多いらしいんですね。そのために新しい脂を入れたとかいろんなものを使い、よそがやってない新しいことをやる。でも、それがエスカレートすると、いつしかものすごい厚化粧の化け物のようなものになってしまう。一番の問題は、本人がﾞ気がついてないってことだけどね。渋谷のヤマンバ娘たちみたいに。

<strong>斎藤</strong>〜その点、十文字のラーメンは、毎日食べても食べ飽きない素顔美人だと思います。やさしくて気立てもいいし・・・・・・。

<strong>小哲</strong>〜なるほど、今回はほんとにいいひとを紹介してもらってよかった。それじゃあ、次はどんなひとに会わせてくれるのかな、楽しみだな・・・・・。
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   <title>第11回　日本全県ラーメン巡り その５</title>
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   <published>2007-01-10T01:49:53Z</published>
   <updated>2007-01-20T02:26:49Z</updated>
   
   <summary>北三陸の階上から青森県を横断してやってきたのは、日本海側の鯵ヶ沢。弘前から岩木山...</summary>
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         <category term="東北編" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
   
   
   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/">
      <![CDATA[北三陸の階上から青森県を横断してやってきたのは、日本海側の鯵ヶ沢。弘前から岩木山を左手に眺め4、50分行くと、りんご畑のはずれにいのししラーメの店「竹浪食堂」の看板が出ていた。津軽の地で、なぜ「いのししラーメン」なのか、小哲と斎藤講師は期待に胸と胃袋をふくらませ車を降りた。いつもの様に、この基調トークを踏まえ、塾生諸君の意見や感想を、ブログで大いに発言してほしい。

<strong>第11回　発言テーマ</strong>
1．キミがいちばん美味しいと思う、だしの種類。
2．キミの知っている、珍しいだしを使ったラーメン
3．地の素材を使ったラーメン 

※　発言テーマは上記に限らず広く考えて結構です。
　　 今回の基調トークとの関連で自由に発言して下さい。

●店データ
「竹浪食堂」　
住所　青森県西津軽郡鯵ヶ沢町立石字大平199-300
電話　0173−72−1526

<img alt="07011001.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/images_blog/07011001.jpg" width="410" height="303" style="align: center; margin-bottom: 5px"/>

<strong>小哲</strong>〜斎藤さん、ここへ来る前に鯵ヶ沢の海のほうへ行ったでしょ。あの時つくつぐ思ったんだけど、青森の人は確かにラーメンが好きですね。だって、なんにもない道路沿いに、他に食堂はないのにラーメン屋だけはある。車で走りながらあんまり頻繁に目につくので数えてみたら、10軒ちかくあったんで、びっくりしました。

<strong>斎藤</strong>〜そうですね、ほんとうにラーメンをよく食べます。青森では神社の縁日で屋台のラーメンが出るくらいですから、やっぱり好きなんですよ。

<strong>小哲</strong>〜縁日にラーメンってのは、珍しいなあ。関東だってみんなラーメンが好きだけど、縁日にラーメンが出るってのは見たことないですよ。麺類であるとしたら、せいぜいソースやきそばくらいだもんな。

<strong>斎藤</strong>〜だから、多少遠くても、みんな食べに行くんです。

<strong>小哲</strong>〜この「竹浪食堂」だって周囲はりんご畑だし、ずいぶん辺鄙なところにありますよね。関東でも最近は郊外の辺鄙な場所に店ができたりしているけど、まあ、それほどラーメンが人を引きつけるってことなんでしょう。ところで、斎藤さん、いのししラーメンについて、少し説明をしてくれますか。

<strong>斎藤</strong>〜はい、この店を選んだ理由は、伝統的な郷土料理とは直接には関係はないけれど、土地の素材を使っていることで、選んでみました。

<strong>小哲</strong>〜いのししが土地の素材ということですね。

<h3>青森の各地でいのししが飼育されている</h3>

<strong>斎藤</strong>〜ええ、青森はいのししを飼育しているところが沢山あって、個別に点在はするんですけど、一つの地域の中のあっちにもこっちにもという県はたぶん青森県だけだと思います。

<strong>小哲</strong>〜ラーメンとしては、いわゆる伝統のラーメンではないけれども、青森県の地の素材を使ってやっているという意味で、いってみれば地ラーメンですね。

<strong>斎藤</strong>〜そうです。青森県では、脇野沢とか今別、平内といったところでいのししを飼っていて、「竹浪食堂」もラーメン屋ではあるけれど、自分のところでもいのししを飼っています。

<strong>小哲</strong>〜自分のところでいのししを飼っているってはスゴイですね。野菜も自分のところでつくっていたら、完全な自家製ラーメンになる。

<strong>斎藤</strong>〜ただ、自分のところのだけでは量が足りないので、ここは脇野沢のいのししの骨と自分のところのいのししの骨を使ってスープをとっています。そういう意味で、青森県のいろんなところでいのししを飼育しているということもこのラーメンでわかります。

<strong>小哲</strong>〜前に長野の山奥のほうで野生のいのししや熊を食べさせる店に行ったことがあるけど、あそこは、鍋にしたり、焼いたりで、ラーメンまては作ってなかったな。でも、いわゆる一般的な豚と違って、脂が臭みがなくて美味しかった。いのししでラーメンを作ろうというのも、やっぱりラーメン好きの青森だからかな。

<h3>甘い香りとコクが持ち味のいのしし</h3>

<strong>斎藤</strong>〜さて、いのししラーメンの登場です。

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<strong>小哲</strong>〜なるほど、これがいのししラーメンですか。だしをいのししの骨でとっているというだけだから、とくに見かけが変わっているわけではい。具はチャーシューの代わりにいのししの肉を焼いたやつが乗っていて、他には刻みねぎとメンマという、いたってシンプルな盛りつけです。スープは濁らさずに透明に作ってあって、豚みたいな臭さもない。むしろ、ほんのりと甘い香りがしますね。

<strong>斎藤</strong>〜いのししの骨を使ってスープをとるのに、よく、くたくた煮てトンコツスープみたいにしてしまう人がいるんだけど、ここはゆっくり濁らせないように煮てとっているので、いのししの甘味というか、うまみが出ていますね。だしはいのししの持ち味を出すすために香味野菜等は入れずに、しょうがだけを使っているそうです。雑味もないですよね。

<strong>小哲</strong>〜そうですね、この雑味のない甘いかおりとうまみがいのししならではなんでしょうね。それで、麺はというと、これはやっぱり青森の標準的なタイプなのかなあ。中細で縮れている。

<strong>斎藤</strong>〜麺は、青森の場合大きな製麺会社があって、それを使っている店が多いんです。だからどうしても似てしまうし、まだまだ改善の余地があると思います。青森には自家製麺の店もけっこうあるんですがね。ところで、そのいのししの肉のほうはどうですか？

<strong>小哲</strong>〜うん、この肉がいのしし独特のうまみとコッテリ感があって、いいですね。いのししの肉ってよくかんでいると、じんわりと独特のうまみが広がってくるんですよね。豚よりも水っぽくないし、肉に赤みが強いぶん、味も濃くてこってりしていますよね。

<h3>素材がよければ、よけいな材料は必要ない</h3>

<strong>斎藤</strong>〜こちらのご主人によれば、豚は１年経つと肉が硬くなるけど、いのししは５、６年経っても硬くならないそうです。

<strong>小哲</strong>〜もともと豚よりも肉質がしかりしているけど、それ以上には硬くならないということなのかな。それにしても、よくいのししをラーメンに使いましたよね。

<img alt="07011003.jpg" src="http://www.oishinbo.net/kaigi/ramen/images_blog/07011003.jpg" width="410" height="298" style="align: center; margin-bottom: 5px"/>
<strong>斎藤</strong>〜こちらのご主人の竹浪さんは元々は横浜に住んでいたんですが、昔、新宿の「栃木屋」という店でよくいのししを食べ、肉だけでなくいのししの骨でとったスープのうまさも忘れられなかったみたいなんです。それで、その後、1982年に現在の場所に移ってきてから、いのしし牧場をはじめ、最初はいのしし鍋の店として始めたのですが、やがてラーメンも出すようになったそうです。ただし、いのししは豚と違って一回に生む子供の数も少ないしストレスに敏感なので、飼育もむずかしい。それと３年育てないと出荷できないので、コストもかかり、生産効率も悪い。
だから、脇野沢やその他の提携牧場から豚の骨が入手できるようになって、ラーメンが作れるようになったそうなんです。

<strong>小哲</strong>〜ふつう鶏や豚でも、餌や飼育環境が悪くて不健康になったりすると、脂が臭くなるんだけど、野生のものは飼育したものと違って、そういうことがないですよね。だけど、いのししは飼育されたものでも、あまり臭くならないみたいだな。そういば、中国に金華ハム用の豚で金華豚っているでしょ。あれがいま神奈川県の御殿場のほうで、もともとは日中友好で譲り受けたものが、飼育されていて、この肉を以前に食べたことがあるんですけどね。これがちょっとバラの花みたいな甘い香りがしてうまいんですよ。いい香りがするところが、ちょっといのししと似ているんだな。

<strong>斎藤</strong>〜結局、素材がよければ、他に野菜を入れたり、色々入れる必要がないんですよね。

<strong>小哲</strong>〜そうですね。要するに、素材としての豚や鶏が不健康に育ったものだと肉質が悪く、特に脂身が臭いので、どうしても素材の持ち味よりも、臭みを消すためにいろんな材料を重ねて使うようなっちゃうんですよね。　

<strong>斎藤</strong>〜このラーメンも格段ここの親父さんがこだわりの作り方をしているということでもないんですが、丁寧でセオリーどおりに作っているから、素材の味がきちっと出ています。

<strong>小哲</strong>〜そう、それが料理の基本だと思うのね。素材があって、どういうふうにしたらおいしいか、順番に必要なものだけ入れれば美味しくできちゃうわけだから。ラーメンだってまったく同じなんですね。ところで、ラーメンのだしというと、今のところ、動物系では豚、鶏、牛、くらいなんだけど、こうしてみると、まだ他にもありそうですね。

<strong>斎藤</strong>〜鴨なんかもいいんじゃないですか。

<strong>小哲</strong>〜うーむ、それならばいっそのこと、アイガモ農法のアイガモで作ったアイガモ南蛮ラーメンなんて、どうかな。おっと、イカンイカン、なんだか自分でラーメン屋を始めたい気分になってきた。さて、斎藤さん、この次はどこへ行きますか。

<strong>斎藤</strong>〜次はですね、秋田県へ行きたいんですが、ここにも隠れた名店があります。乞うご期待ですね・・・・・・。


<em>つづく...</em>]]>
      
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