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塾頭 雁屋小哲

ラーメン会議を始めるにあたって

ラーメンは、明治の末に浅草の中華料理屋で元祖とされるものが作られて以来、その後100年余の間に日本全国に広まり、今や我々日本人にとっての国民食とまで言われるようになった。しかし、日本各地のラーメンを見ると、同じラーメンという名前でありながら、地域ごとにまるで違ったものになっている。各地に広まり定着する過程で、土地の素材、味覚、気候風土、習慣、風習、等々、様々な要素と結びつきながら、その土地独自のラーメンへと進化したと考えられる。

元来われわれ日本人は、外国の文化を取り入れ折衷するのにたけ、とくに料理に関しては、古くはてんぷらやカステラをはじめ、とんかつ、カレー、オムライス、等々を生み出してきた。しかし、それらの中でもラーメンほど全国的な広がりと地域ごとの独自な進化をみたものはない。いくら日本人がカレー好きでも、サッポロカレーとか、喜多方カレー、熊本カレーなんてものはないのだ。

さらにこの10年のラーメンに目を向けると、意欲的なラーメン店が次々に登場し、いわば群雄割拠の様相を呈しているが、同時に料理としての質もかつてなく高いものとなっている。このようなラーメンの現在と、すでに世界規模で普及したインスタントラーメンも含めて考えれば、ラーメンこそはまさに日本を代表する国民食と言っても過言ではないのである。

そこで、美味しんぼ会議を開くにあたって、記念すべき第1回目の会議を『ラーメン会議』とすることになった。誰にとっても身近で、誰でも意見を言えるということ。そして、いわば現代日本の郷土料理として、しかも現在進行形で変化し続けてゆくエネルギーに満ちた料理であることが、第1回目の会議にふさわしいと考えた次第である。


会議で予定している内容

さて、美味しんぼ塾「ラーメン会議」だが、今後、以下のような内容を予定している。

まずは、「ラーメンは郷土料理だ!」というテーマのもとに、塾生諸君とともに日本各地のラーメンを改めて郷土料理という視点から再認識する。たとえばある地方のラーメンについて、単に麺やスープの味をうんぬんするだけで終わらず、なぜそのようなラーメンへと進化したのか、土地の素材、味覚、気候風土、習慣、等をも含めて考察しよう。ある時には、実際にその土地を代表するラーメン店の店主や地元のラーメン・ファン、その地域のラーメンと食文化研究家にも参加してもらい、より具体的、立体的考察を進めよう。そのためにも、ブログでのトラック・バックによる塾生諸君の参加を待っている。また、テーマにそった掲示板の設置、塾生諸君によるアンケート、投票も、予定している。さらに第1期の会議の終わりには、しめくくりとしてイベントの開催も予定しているので、大いに期待してほしい。

これらの会議によって、日本中のラーメンへの理解が深まり、ひいてはラーメンの味わいにも、そしてそれを生み出した地域に対しても、これまでにない愛着を感じることができたら、この会議は大成功である。


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イラスト/花咲アキラ(「美味しんぼ」より)
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